■巷ではトルコ風アイスが大ヒットしているようだ。記事もいくつか見たし、先日、スーパーで「きゃー!あった!これ、チョーうまいんだよ」と騒いでいる高校生がいた。もちのように伸びる不思議食感が受けているらしいが、まだ食べたことがない。だから、トルコ人の友人キャーミルから結婚パーティーの案内が来たとき、真っ先に思ったのは「アイスは出るだろうか?」だった。■新郎のキャーミルは、最も日本語のうまいトルコ人という噂で、外国語大学でトルコ語を教えている。日本文化にもどっぷり浸かっていて、トルコの首相が来日したときは、徹夜でマージャンした後に通訳に向かったという逸話がある。去年、深夜番組で「こんなトルコ人がいる!」と取り上げられてもいた。結婚も日本人とするのかなと思っていたら、そうなった。見た目は日本美人だけど、快活でよくしゃべる女の子を選んだ。パーティーは京都のパレスサイドホテルで行われ、大阪にあるキャーミルのお気に入りのレストラン『イスタンブール コナック』(大阪市西区南堀江1-11-1栗本建設ビルB1F TEL06-6534-7277)のトルコ料理がふるまわれた。見たことのない珍しい食べ物が続々。飲み物は塩味のヨーグルト。バックに流れるのはトルコ行進曲。うーん、トルコ風。アルコールが入ると、テーブルの間で踊り出す人が現れる。トルコ人はこういうパーティーでは踊るものなのか、トルコ人らしき人が輪の真ん中に進みでては順に踊りを披露する。小さな女の子もくるくる回って、拍手を浴びていた。肩を組み、会場を練り踊る集団もいる。圧倒されて見ていると、キャーミルがテーブルに回ってきて、「見てのとおり、何の計画もありません」と言った。開宴のときいた司会はいつの間にか消えていた。6時に始まったパーティーが10時過ぎにお開きになったとき、「受け付けで配られた百円玉はどうするんですか?」と質問が飛んだら、「最初、ゲームをやるつもりでしたが、やめました」。いいなあ、トルコ風。楽しみにしていたトルコ風アイスにはありつけなかった。アイスを錬る機械が75キロの重さで、大阪から運ぶのを断念したらしい。「本物のトルコ風アイスを食べたかったなあ」と言うと、「だったらトルコに行かなきゃ。牛乳が違うからね」とキャーミル。いつか行ってみたい国だ。
2000年07月20日(木) 10年後に掘り出したスケジュール帳より(2010/11/29)