またまたシンクロニシティに遭遇。昨日の日記に書いたタロウ君より、今朝メールが届いた。
ザ・ピーナッツの歌に「しあわせのシッポ」というのがありますが、永六輔が作詞をしています。サイン会で本人にパコダテ人の映画の話を伝えてみました。「なんでぼくの歌をテーマソングに使ってくれなかったの?」と冗談を言った後、「今やってる同じタイトルのドラマがあるのも知ってる。この年まで生きていると、いくつかのメッセージにはローテーションがあるのが、ぼんやり判ってきた。新しいように見えるものばかりだけど、作家本人無意識でも過去の繰り返しは多いと思う。誰か好きな作家(出来れば永六輔)を見つけて凌駕し、自分なりに味付けし直してみてほしい。世の中上質になっていく」。以上、今井雅子さんに伝えてください。とのことでした。加えて「伝統建築が美しいのはそれを繰り返しているから」だそうです。
とあり、入手したての永六輔のサイン画像が添付されていた。このメールを読んだ数時間後、赤坂で宮崎あおいちゃんのマネージャーの小山理子さんとお茶していると、店を出ようとしている紳士の後ろ姿を見て、「永六輔さんです」と小山さんが囁いた。同じ日に別々の人から彼の名を聞いたのも初めてが、間接的にメッセージをくれた本人に直後会ってしまうなんて、なんという偶然!
興奮していると、「追いかけて伝えたら、どうですか?」と小山さん。「でも……(ご迷惑では? はあ、とか言われちゃったら?)」と迷っていると、「こんな機会、もうありませんよ」。その一言で飛び出し、お会計を済ませた永さんを呼び止めることができた。「あの……はじめてお目にかかりますが、今井と申します。先日サイン会されましたよね? そこでわたしの友人が『しあわせのシッポ』と『パコダテ人』の話をしたと思うんですが」と一気に話すと、「ああ」と何となく思い出された様子。「わたし、そのパコダテ人を書いた者です。で、いま、しあわせのシッポに出てる女優さんのマネージャーさんと一緒にいて、こんなところでお目にかかれてびっくりです」と支離滅裂になっているわたしに、永さんこそびっくりされたはずだが、「あの歌は三十年前につくったんですよ」とにこやかに微笑み、去って行かれた。
雲の上の人との距離感が一瞬ふっと縮まったような、「しあわせのシッポ」な出来事だった。