猫頭の毒読書日記
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2005年09月03日(土) |
アリストテレスの修辞学とバイイの文体論 |
現代の文体論はフランスから始まってますね。 修辞学というのは古代のあらゆる学問の中で 最も科学という名に恥じないものだった、とまでいっているのですね 観察の幅の広さ!分析の精緻さ!定義の正確さ!分類の厳密さ! アリストレスによる言葉の利用の体系的研究…
日本の近代文体論というのは、文体を「個性の表現」とみる (美辞学)
歴史的には、 紀元前5世紀に発生…プラトン、アリストテレスに始まり、 ローマのキケロとクィンティリアヌスが体系化
中世・ルネッサンス期の学芸の重要な一部門であり
15世紀の「大修辞派」というのが行き過ぎ 近世はイギリスの議会やフランス革命での政治的雄弁家が デマゴギーの行き過ぎ…
相変わらず教育と文学を支配してはいたが 16世紀以後多少(?)衰退していた。 モンテーニュは「思考の空虚をごまかす豪華絢爛たる話し方」を苦々しくいい(随想録) デカルトも「最もみごとに自分の思考を消化する人々は修辞学をまったく学ばなくとも相手を納得させることができる」(方法序説) 18世紀以後ロマン主義の運動、 ルソーやディドロの思想もあって、修辞学は衰退。
19世紀に言語の科学的研究として「言語学」がおこったが、 いまいち…
20世紀にバイイが新しく「文体論」として学問としての任務の提案。
構成から、転置法、省略法、くびき法、兼用法、連続法、分離法、誘引法、反復法、対立法…なんてのにはじまって、 すごい修辞学の用語があるんですよね 「グラデーション」にさえも修辞学的意味がある。
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