猫頭の毒読書日記
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2003年09月10日(水) 【ちょっと置いとく百合の花】



◎ 2003/09/10(Wed) 08:52




シェーンブルン宮殿の日本庭園
++ DELPHICA ...686回

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昨夜ちょっと早めに原稿を送り(そう、今日から新たな戦いです(--;))、少しのんびりしようと、つい先頃、友だちが送ってくれたビデオを見ました。

前半は、ナヴァホの暗号兵のドキュメンタリーです(拙訳サイモン・シン「暗号解読」のハイライトのひとつがナヴァホ暗号でした)。で、これは省略。

友だちが後半に入れておいてくれた番組が、「シェーンブルン宮殿の日本庭園」というものでした。はじめ、シェーンブルン宮殿に日本庭園が発見され(ツタなどに覆われてわからなくなっていたもの)、再現されたというのを聞いて、「へー、でもわたし、日本庭園にはそれほど興味ないんだよねー」と思いました。

しかし、バックグラウンドにマーラーが流れたりクリムトが出てきたりして、「ああ! そうか、ジャポニズの関係か」と思ったら急に興味が出てきました^^;

要するに、1912年、庭園局の責任ある地位に就いていた人たちが、ロンドン、チェルシー博覧会で見た日本庭園に感銘を受けて、オーストリア=ハンガリー帝国の皇太子に電報を打った。日本文化ファンだった皇太子がそくざに返信して、「シェーンブルンに日本庭園をつくるべし」となり、1913年完成、といういきさつだったようです。(まとめてしまうと簡単ですが、番組はミステリー仕立て^^;)

皇太子は翌年、サラエボ事件で暗殺されてしまうわけですが、まあ、それは置いておきます。

このチェルシー園芸博覧会というのが大成功をおさめ、翌年からいわゆるチェルシー・フラワーショーが始まったんだそうです。そしてこの博覧会には、お庭が19点出展されたそうですが、そのうち12点までが、純然たる日本庭園(日本からも出品された)または日本庭園に学んで作られた山水系の庭(ロックガーデン)だったのだそうです。ジャポニズム〜という感じです。ヨーロッパのあちこりで、ヨーロッパ人の手により日本庭園が造られた時代だったそうです。

ヨーロッパのロックガーデンは、それまではアルプス的景観だったのが、この時期、必ずしも垂直方向に伸びない石の配列がヨーロッパのガーデニングに導入されたのだそうな。

十九世紀末から二十世紀にかけての美術にはそれなりに興味があったものの、これまで庭・園芸の方面とはまったく結びついていなかったので、わたしには面白い番組でした。



..2003/09/08(月) 21:42 No.1911

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■ Re:シェーンブルン宮殿の日本庭園 ++ YoYo ...315回


現代のイングリッシュガーデンのモトは、日本庭園だなんて話もあったりします。全面的にはどうかわかりませんが。


..2003/09/08(月) 22:27 No.1913

■ Re:シェーンブルン宮殿の日本庭園 ++ 月子 ...129回


シェーンブルンの日本庭園、知らなかったので「ほー」と思いました。1870(適当)年ごろから日本の大工、庭師がヨーロッパ、アメリカの博覧会に行って五重塔とか鳥居とか太鼓橋などの建築をつくっており、お金持ち(アメリカが多かった)は邸宅内に日本建築つくったり、庭にはモミジとか日本の標本植物を競って植えてたらしいです(庭は「日英折衷趣味」とか呼ばれたのでそのあたりがイングリッシュガーデンとつながる?)。博覧会用のエキゾティズムによる娯楽性だけではなく、ちゃんと「神道」とか「汎神論」がベースであることが言われてたようです。
ジャポニズムって建築デザイン園芸も含む壮大なムーブメントなんですね。


..2003/09/08(月) 23:28 No.1914

■ Re:シェーンブルン宮殿の日本庭園 ++ DELPHICA ...688回


手元に JAPONISME The Japanese Influence on Western Art in the 19th and 20th Centuries (著者は Siegfried Wichmann というドイツっぽい名前ですが、出版社はPark lane, NEW YORK)というでかい本があります(写真が多い)。

で、見返してみたら(これまでもっぱら絵の方に興味があったので気づかなかったんです^^;)、House and Garden という部がありました。で、そこに載っている写真は、日本のものを別にすれば、ほとんどすべてアメリカのものです。出版社がアメリカだからなのか、月子さんがおっしゃるように、大邸宅に建築・庭園を作ったのはアメリカの金持ちが多かったからなのかはこれだけではわかりませんが。

ル・コルビジエ、ミース・ファン・デル・ローエの昇華された作品もきれいですねー。

あと、庭の造営にともなって、Japanese apricot,sakura,chrysanthemum and lotus が流行ったんですね。また、Iris and Japanese lily, camellia and azalea are also much in demandとあります。これで植物がむこうにわたって改良されて帰ってきた?

シェーンブルンのツタに埋もれた「アルプス」庭園を見て、「?」と思ったのは(今から三年前)、ウィーン在住の日本人女性なんですが、その方のお父さんが日本庭園協会の会員さんだったんですって。そのお父様、なかなかすてきなおじさまでしたよん^^; で、日本から調査団が派遣され、シェーンブルン側も復元計画に取り組むことになったのだそうな。



..2003/09/09(火) 00:23 No.1915

■ Re:シェーンブルン宮殿の日本庭園 ++ 月子 ...130回


本格的な日本建築をつくった例がヨーロッパよりアメリカが多いのは、
アメリカのほうが近くて安かったからだそうです。日本園芸植物も欧米で驚くほど多く導入、改良され、現在逆輸入されてますよね(アサガオ、ギボウシとかアイリスなどなど)。


..2003/09/09(火) 13:51 No.1917

■ Re:シェーンブルン宮殿の日本庭園 ++ YoYo ...316回



> 日本園芸植物も欧米で驚くほど多く導入、改良され、現在逆輸入されてますよね(アサガオ、ギボウシとかアイリスなどなど)。

そのなどなどの中でユリなんぞ典型ですよね。
日本に自生しているユリの原種は、あちらの人にとっては原種の常識を覆すほどに園芸植物としての完成度が高く、皆腰を抜かしたと聞いています。

で、日本人はそのままの姿を愛でてきたのですが、ヨーロッパに渡り、カサブランカなどのバブリーな(一時期ほどではないが)品種の親となりました(^^)




..2003/09/09(火) 19:58 No.1922

■ Re:シェーンブルン宮殿の日本庭園 ++ DELPHICA ...691回


> そのなどなどの中でユリなんぞ典型ですよね。
> 日本に自生しているユリの原種は、あちらの人にとっては原種の常識を覆すほどに園芸植物としての完成度が高く、皆腰を抜かしたと聞いています。

わたしもこの話はよく聞くのですが、いつもちょっとよくわからないなぁと思ってしまうのです。というのも、聖母の象徴としてわりと古くから絵画に出てくるユリは、けっこう立派ですよね? たとえば(もっと古い時代の絵もありますけど)

http://www.mystudios.com/art/italian/botticelli/botticelli-annunciation-1489.html

これは単に

1 これも立派だが、日本のユリはもっと立派だった
2 これは理想化されている
3 天使が天上からもってきたユリは大きいのだ^^;
4 その他

ボッティチェリなんか、植物はけっこう写実的ではありませんか? 
ま、1ってことなんでしょうか。



..2003/09/09(火) 23:30 No.1924

■ Re:シェーンブルン宮殿の日本庭園 ++ DELPHICA ...692回


> 本格的な日本建築をつくった例がヨーロッパよりアメリカが多いのは、
> アメリカのほうが近くて安かったからだそうです。

いや、わかるような気がします。たとえば石庭の石ですが、日本はそこらに渓流があるのでぴったしの石・岩がごろごろしてますが、欧米でどんぴしゃのみつけるのは大変でしょう。

どんぴしゃの素材を入手するのが難しいからこそ、土地なりの咀嚼というか消化吸収が起こったのでしょうね。想像ですが。



..2003/09/10(水) 00:20 No.1925

■ Re:シェーンブルン宮殿の日本庭園 ++ byM ...86回


> > 日本に自生しているユリの原種は、あちらの人にとっては原種の常識を覆すほどに園芸植物としての完成度が高く、皆腰を抜かしたと聞いています。
>
> わたしもこの話はよく聞くのですが、いつもちょっとよくわからないなぁと思ってしまうのです。というのも、聖母の象徴としてわりと古くから絵画に出てくるユリは、けっこう立派ですよね? たとえば(もっと古い時代の絵もありますけど)
>
う・・・・ん
ちょっとネタ本見てくるね


..2003/09/10(水) 08:45 No.1928

> ちょっとネタ本見てくるね
はい戻りました
(フランス文学者栗田勇著「花を旅する」岩波新書2001年3月刊)
「世界で80種類の原種があるが、その六分の一が日本産で
ヨーロッパでは全土でもわずかに数種類しかない」
「ユリには
山百合、オニユリという名前のように大型の花を咲かすものと
小百合とか姫百合とかやさしい可憐なものがあります」
「ヨーロッパでは、十九世紀の後半になると、プラントハンターと呼ばれる投機的冒険家たちが現れました。
・・・・(中略)・・・こうして、ヨーロッパに日本原産の
大型の花の山百合、オニユリの主を引く非常に豪華なものが落ち込まれて、
小型しか知らなかった西欧人に大変なショックを与えたといわれる」
(「ヨーロッパの文様」200年3月視覚デザイン研究所編・刊)
「百合は古代クレタ島で特に愛好されたらしく、数多くの壁画や壷絵のモチーフになっている。
ギリシア神話の女神ヘラの花とされる」
http://www.d1.dion.ne.jp/~janhamu/prince.html

GLNさんの 
〈ユリと聖書とマドンナと〉
________________________________
 聖母に捧げられた白ユリは「マドンナリリー」と呼ばれている種類で、西洋で単にユ
リと云えば、このユリを指した。東洋から白ユリが伝わった19世紀以前に、西洋で知ら
れていた白ユリはこの一種だけで、西洋で最も美しいユリの一種と云われていた
________________________________
ここが一番詳しそうです百合百科http://www.yurinosato.com/encyclopedia/zatsugaku.html

【ユリ】 Res


◎ 2003/09/10(Wed) 11:38




http://www.ne.jp/asahi/glay/katsuyuki/dokokade/hana/yuri/seisitu/kensaku.htm
ユリの分類と検索表
http://www.jvshop.com/whitelily/w_s.html
ホワイトリリー化粧品
白ゆりは、学名Lilium Candidumで、すでに紀元前から栽培されていました。種名Candidumは、「純白の」という意味ですが、ユリの学名Liliumは、ケイト語の「白い」と「花」に由来し、ヨーロッパで「白いユリ」として愛されたマドンナ・リリーを指しています。古代ギリシャ文化の中心クレタ島から出土した壁画にマドンナ・リリーが描かれています。古代エジプトの王家の紋章にも使われ、中世以後、純潔の象徴となり、受胎告知や聖母子の絵に描かれるようになっています。

 東洋で最初にユリの名が書物に現れたのは、中国最古の「神農本草経」に「百合」の薬効についてといわれています。
ヨーロッパでは球根を火傷、腫れ物の治療薬として使用し、中世の修道院の薬草園には必ずユリがあったとされています。東洋でのユリの利用は薬用として始まり、漢方では乾燥した燐片を百合(ひゃくごう)と呼び、利尿、去痰剤としてきました。

 ユリエキスは、新鮮な白ゆり(Lilium Candidum)の球根から水、エタノール、1.3-ブチレングリコールなどで、長時間常温で浸漬し抽出したエキスです。わずかに特有な芳香を持っています。球根のエキスには多糖類、アミノ酸、苦味質などを含んでいます。その効果として皮膚の柔軟化、止血、キズなどの回復、しわ予防などが認められています。ユリエキス配合の化粧品は、みずみずしく、しなやかなお肌を保ち、小じわ
【ユリとギリシア神話】 Res


◎ 2003/09/10(Wed) 12:03




https://www.i879.com/hana_j/7.html
ギリシャ神話とユリ
西欧でもユリは古い歴史をもちます。ギリシャ神話では、ユリは神々の長であるゼウスの妻ヘラの乳から生まれた聖花であるとされています。ゼウスはヘラの目を盗んで、若い娘に自分の子どもを生ませました。この赤ん坊がのちの英雄ヘラクレスです。ヘラの乳を飲んだ子どもは永遠の命をさずかるため、ゼウスは寝ているヘラの横に子どもを添い寝させたのでした。ところが、この子どもが猛烈な勢いで乳を吸ったためにヘラは飛び起きて、乳は四方に飛び散ります。空に飛び散った乳が天の川になり、地上に落ちた乳が白いユリの花になりました。

ユリは聖母マリアの純潔の象徴
キリスト教では、白ユリは、聖母マリアの純潔の象徴です。天使ガブリエルも白ユリをもって聖母マリアの前に現れ、キリスト受胎を告げています。純白のマドンナ・リリーは、キリスト教の儀式に欠かせない花でした。
明治のはじめに欧米に紹介されたテッポウユリは、たちまち人気が出て、マドンナ・リリーと入れ替わり、復活祭の花として定着しました。

【ビクトリア・アルバート美術館】 Res


◎ 2003/09/10(Wed) 12:36




http://www.vam.ac.uk/




by byM













900 【中公文庫】 Res


◎ 2003/09/10(Wed) 12:46




アラベスク文様の草花文、ゴシックの四葉文、葡萄唐草の十字文
http://jpmuseum.com/index.htm
「中公文庫・ヨーロッパ陶磁器の旅 全六巻」の一部を公開。

【オルコメノス】 Res


◎ 2003/09/14(Sun) 23:12




http://pws.prserv.net/jpinet.okeiji/1982-greece-orchomenos.htm
オルコメノス遺跡 Orchomenos
精巧な造りの埋葬用の副室(3.74×2.75m)は原形を保ち、天井には片岩を使用し、
全面をロゼッタ模様や渦巻線、ヤシの葉などのモチーフで綺麗な浮彫りで装飾している










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