A Whiter Shade of Pale 2006年07月20日(木) |
地下鉄の駅から待ち合わせの場所に向かって歩く夜 空気が湿気を含んでいて、髪と気分がいくぶん重い
昔、コルドンブルーとして知られたその店は 街の名みたいに真っ赤で、そしてゆるい坂の途中にある
レッスンをいっしょに受けている人たちが歌うジャズ ステージ上の彼女たちの歌声に耳を傾けながら
頭の中では、さっきまで聴いていた、 A Whiter Shade of Pale のメロディーが流れていて
船酔いしてるだけの訳がわからない歌詞に混乱していると 薄暗い店内に、超越した愛のフレーズが響き渡った
シャドーのような実体のない愛・・・
まぁ・・・そういう、 普通の程度を超えたような愛もあるんだろうけど 人の生理を持っている俗世の男女にはありえない、とおもい
なぜモヒートがないんだろうと、ワイングラスに手をのばす
落ちるときは真っ直ぐだ、と 手のひらを水平から垂直に ジェスチャーしながら言った男の言葉が不意に浮かび
人生は、これを生きるよりは夢見ているほうがよいと言った フランスの小説家の言葉を思いだす
そうか、、今夜だけは、、、その意味がわかったような気がした
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