週末。赤坂のホテルロビーで友人と。 毎夏この時期に日本に戻ってくる高校の同級生。
お茶をしながらアメリカのお茶事情を聞く。 アメリカでもだいぶコーヒーがおいしくなってきて 今は、スタバでなく Peets coffee が流行っているとか。
そんな話をしながらも それぞれの近況を話をしてロビーから外に出た。 少し歩いて近くの日枝神社を参拝。 わたしたち以外にも観光客がちらほら歩いている。 蝉の声でときどき会話がかき消された。 青い空。蝉の声。まだ真夏。
時間がまだあるからと、 境内の石段を降りて赤坂見附に向かって歩く。
このあたりを歩くと懐かしさでいっぱいになる。 3人がOLだった頃を思い出す。 丸の内に移転する前、会社は赤坂にあった。
ああ、このカレー屋さんもなつかしい。 うぁ、Tokyo Joe 's まだあるんだ? あ、ベルビーもなつかしいね。
通りを渡るたび、街の角を曲がるたびに 昔を思い出すものをみつけては歓喜の声。
単純に懐かしいけど、もうあの頃とは何かが違う。 結婚してわたしたちはバラバラに離れてしまった。 西海岸に。千葉に。東京に。 好きな人にそれぞれついていったんだからしょうがない。
夕食までには戻らないとね、、、と3人が口をそろえて言う。 何かが違う。もう昔のように3人だけの時間には戻れない。
戻らなくちゃいけない時間ができて 戻らなくちゃいけない場所ができて
それぞれが所属するところが違ってしまって、帰るところが違う。
駅に辿りついて、また来年ね、と再会を約束する。 けれども何か物足りなくて寂しい。
地下鉄の階段を降りる途中で 最後にもう一度、地上を見上げ街を見回す。
この街の匂いがなつかしい。
でももっとなつかしいのは 帰るところがまだなかった頃の
あの自由気ままさ、かもしれない・・
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