Love is Blind? 2004年06月23日(水) |
その盲目の男は恋をしていた
男が好きになったその人も 不可視の世界の人だった
恋は目ではなく心でするものだから だから彼と彼女には障害はないはずだった
二人の生活は非常に充実したもので 彼らの平和は闇の中にある
当人以外にはうかがい知れぬ平和 外部の世界との接触を避ける形で 二人は全世界を所有していた・・・
Love is Blind 恋は盲目の文字どおりのふたり
けれど次に男に会ったとき 彼はひとりになっていた
彼女を他の男にとられたと淡々と話す彼 彼の沈んだ声と苦痛の表情には絶望がみえ そこには恋人をとられた深い哀しみがあった
見えることがあたりまえ 聞こえることがあたりまえの世界では
彼は、 彼女の美しい姿を見たくても見れない 彼女の容姿を彼女に描写したくても出来ないのだ
正眼者に恋人を取られる・・・ 盲目の男にとってそれは 致命傷だったにちがいない
彼女を幸せにしようと彼なりに努力したけれど どうしても克服できない事実に男は すっかり打ちひしがれてしまっていた
わたしは同情した
彼にではなく、
彼女に・・・・
見えない世界で彼と充実した生活をおくっていても 見える世界に憧れていたはずの彼女
彼女の容姿を美しく描写し話してくれる男に 魅力を感じないはずがない
女にとって 自分を美しいと言ってくれる男は絶対的な存在だ
見える世界に少しでも足を踏み入れたいと 彼を捨て次の恋にはしった彼女 そんな彼女をわたしは非難できない だって恋は盲目だから
Love is Blind 恋のキューピッドには目がないので その矢はあっちこっちに飛ぶというのが 本来の意味だという
この後、重ねて次の矢が射られ さらなる新しい恋人ができても
それは彼女の落ち度ではなく 恋のキューピッドの仕業ということで・・・
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