初めてかもしれない・・・ 2003年11月13日(木) |
外はもう暗くなった頃 コーヒーを飲むだけに、こんな時間に出かけるのもいい。
オフィス街の喫茶店。いつものコーヒーを飲みながら、 あゆみさんとたわいのない話をする。 本社から名誉会長が日本に来るとかで 役員秘書の彼女は、多忙を極めてるとか・・・
宿泊ホテルの非常口のチェックとか スピーチ会場の非常口チェックとか 会いたい人との会食のアレンジとか お土産の七宝焼きを銀座に下見にいったとか
まるで貴族のような待遇を聞いて唖然とした。 まぁ、この会社、人材をAsset(資産) と見なすので 人をとても大切にするから、名誉会長だったらもう・・・。
普通の社員の出張も、エンジニアとか代替?のきかない職種は 二人以上の出張の場合、同じ飛行機に一緒に予約は取らない。
万が一飛行機が落ちたときのことを考えて、 便を変え分散させて出張させる。危機管理に優れていると思う。
そんな話や、わたしたちの忘年会をいつするとか話しながら 2杯目のカップが空になった。時計の針は9時。 閉店準備にかかった店員を横目に、急いで外にでた。
わたしたちは、皇居に向かって少し歩くことにした。 お堀の淵の柳が、夜風に揺られている。 柳のしなやかな枝が街頭の明かりに照らされ、 サラサラと舞うシルエットがきれいだ。
散歩しながら駅に向かう。帰りの電車は空いていた。
真向かいに座っていた男と目があってしまった。 グレーのスーツの男。ウィンクする彼。
日本人にウィンクされたの、初めてかもしれない・・・
わたしは合った視線をそらすことができず 静かに、ゆっくりと目線をおろしながら彼を観察した。
そして、そのまま下を向いて目を閉じた。
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