金曜夜銀座。数寄屋橋交差点・・・
信号が青に変わると同時に脚立を立て 雑踏の中、カメラマンがひとりの女性を撮る。
その女性は 病気で余命6ヶ月といわれた双子の美人ママの片方。 ちょうどTV放送された翌日だったからすぐにわかった。
目の前の彼女は秋物の服装をしていたけど、 痩せているのがわかるぐらい、細く小さかった。 放射線治療で髪を失ったらしくカツラをつけて・・・
そんな細い体でお仕事をして もっと生きようとしている姿が痛々しい。
多くの人が行き交う交差点に、ぽつんと立つ彼女。 そこだけが、そのシーンだけが蜃気楼のようだった。
余命がわかっていても強く生きようとする人もいる。 まだ生きられるのに自ら命を絶つ人もいる。
肉体的理由で生きられない人。 精神的理由で生きられない人。
どちらも深刻だ。でもより深刻なのは前者のはず。
精神的に死んでいても、 肉体が存在するかぎり精神は再生できる。
でも、肉体的に死んでしまうとそれで終わりだ。 肉体は再生できない。
だから、肉体が精神より勝ることになる。 【肉体>精神】の構図。
自分のアイデンティティは、肉体それとも精神?
恋愛を形づくるものは肉体か精神か?
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