それを男は理解しない 2003年09月02日(火) |
気温があがったのをいち早く気づいて、蝉が鳴きだした。 ここにはまだ秋の気配はない。
冷房の効きすぎたカフェで時間をつぶした。 単行本を読みながら、大人の童話 『百万回生きたねこ』をなぜか思いだす。
何も言わず傍にいてくれる それだけで幸せな気分になれる存在を得て 心の平和を得た猫。
猫は、一度でも白い猫の気持ちを考えたことがあるのだろうか? 白い猫にも悲しみや心の傷があったはずだ。
だけど、白い猫の傷を癒してくれる存在は あの絵本には描かれていない。 (描写されているのは、オス猫の傷を癒すことだけだ)
猫は、白い猫に自分の理想像を見ていた。 だから白い猫を失ってはじめて、猫は悲しみを知る。 それは幻を失った悲しみであり、同時に「幻を持てない悲しみ」だ。
白い猫の「幻を持てない悲しみ」を 自分がその立場になってはじめて知るのだ。
ただ黙って男の傍にいる女にも、 幻や夢がもてない哀しみがある。
それを男は理解しない。
定年するころ、離婚されてはじめてそれを知るんだろう・・・
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