最近スナフキンとママよく話すね。

昨日、日記をつけぬまま寝てしまい前の分のムーミンについて書いてなかったので
昨日の分の日記も書いておきました。


今日はスナフキンウォッチというよりムーミンパパウォッチ。

「寂しそうなパパ」

本当ムーミンパパの駄目っぷりが見れる。
でも、子供向けアニメの父親にしてはムーミンパパって駄目すぎてそこら辺が凄いな。
こういうアニメの父親って、威厳のある父親像としての姿が描かれると思うんだけど
自分では威厳があると思ってて威張ってるけど実は駄目パパ
というリアリティある設定が凄い。

帽子を忘れるパパが新鮮だった。
んで自分が歳のせいで物忘れがひどくなったとか思い込む。
ヘムレンさんに言われて怒り出す辺り気にしているようだ。
そして自分だけじゃなくママもそうなんだと決め付ける辺りが
連帯意識持って安心してる自立してない子供のようだ。
そう、ムーミンパパは実は一番子供っぽい。
若返りのために刺激ある生活を!という事で筋トレとかしだす。そして
昼夜逆転した生活を送ることにするパパ。
どう見てもますます老け込みます。
バカなの!?パパ!?
そして夜中一人でご飯食べるのが寂しいから
ムーミンを起こして無理やり一緒に食事する。


… ム ー ミ ン 大 迷 惑 。

眠そうな顔でパパの相手するムーミンが本当にかわいそうです。

個人的に馬とびするスナフキンがとても爆笑ものでした。
こ、こんな楽しい遊びをしてたなんて、なんで今まで黙ってたんだ!!!
面白いよスナフキン!!


最後はママが気を利かせて家を花で覆ったりして、それを見たパパは感動して元の生活に戻る。
「安心したよ…。ママは私が考えているよりずっと若いようだ。」
「ありがとう。パパだって、私が考えていたよりずっと若いわ。」
「私も?本当に?」
「本当ですとも。若返り法などというとんでもない事は、気持ちが若くないとできません。」
「…ありがとう。」
パパの場合は若いというより単に子供っぽいだけだが。
結局ママなんだな。ムーミン家は。
この時、隣にいるスナフキンが何かを秘めたような微笑で二人を見ているカットが凄く好きだ!

とまあ、美しい終わり方なんだけど、
例の花壇が破壊された事にショック。
せっかくの花が!






以下ムーミンパパを哲学ぽく語ってみる会

前々から気になっていたけどパパって仕事してるのかイマイチ不明。
小説書いてるのも仕事なのか趣味なのかよくわからん。
思うに、小説家としてもそんなに売れてないのでは。
魔法のランプの話を見ると、スナフキンより教養なさそうだし…。
そんな彼は「社会での自分のポジション」というものに不安をもっているんだろう、多分。
倫理学的にいうとアイデンティティの確立が出来ていない。
そんなパパは家で「威厳のあるパパ」という立場になる事で自らのアイデンティティを確立しようとする。
威厳を振りまいているのは自分に自信がないことの裏返しなんだろう。
必死で、頼られる偉大なパパになろうとして空回りしている。

今にムーミンくらいに若返ってやるからな!というパパの言葉に、
「パパが僕みたいに若返ったらパパはやめてもらって僕の友達になってもらおう。」
とムーミンが言うが、ムーミンは所詮パパをその程度の、立場上のものとしてとらえていたんだろう。
たとえばママが自分くらいに若くなっても
食事を作ってもらったり甘えたりといった「ママ」としても役割は求めるだろう。
突然ママがいなくなった時(パパが無理やり家出してママまで巻き込んだ話)は
ムーミンはママの料理が食べたくなって、寂しくて泣いていた。
ママはママなのである。
しかしムーミンはパパにパパとしての役割を求めていないように見える。
ムーミンは困ったときはスナフキンに頼り、彼の生き方を見て憧れ、尊敬している。
まさにパパは父親像としての立場をスナフキンに奪われているのだ。

なんということか、パパは家でもポジションがなくなっているのだ!
これはパパが「父親とはこうあるべき」という価値観だけで動いているのが問題にある。
多様な存在を認めず、父親ならこうだ。母親ならこうだ。という一つの意識の中で、
無理ばかりをして自分自身がそれに押しつぶされている。
パパは現代の家族像を考えさせるような存在だ。



…とまあ、熱く語ってみた。
パパみたいなのって実際いるよね。
2006年08月13日(日)



日々の雑記 / 蜜柑

My追加