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[フィルクリエイティヴ]掌編創作物
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創作物:Lost in Logic(1)
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回り回り巡り巡って、見つけた場所はすぐ近くだった。そんな青い鳥のお話のような日々が人生かもしれない。
打たれて叩かれて、傷ついてくじけて、もう駄目だと絶望の縁で瀕死にあえいでも、欲しいものは欲しいと貫いていられないなら、いたずらに欲しがった自分を恥じるべきだ。
誰かを傷つけてでも進まなければならない時もある。誰かを心配させて悲しませても、行かなければならない道もある。断念や挫折を強いられる運命は、結果 の多くは自らで招いているものだ。誰のせいでも、運が悪かっただけでもない。
答えがみつからなくて出せなくて、苦しむ思いはどんな成功者も多かれ少なかれ過ぎること。おそらく人として当たり前に過ごしているのなら、その問いかけは人生を完全に諦めてしまうまで続いていくのだろう。人それぞれの折り合いの理屈の中で納得を得ながら。
過去、多くの哲学者や芸術家たちは、きっと同じ問いに自分を呈し、究極に、死すら惜しまずに選んできた歴史は横たえる。
ナツミは孤独や自死を悪とは考えない。
いや。
考えないでいられるよう、そのロジックを知りたかった。
思いついたばかりの言い回しに少しだけ滅入る気持ちを紛らわす。
もしたった今、失ったものを見つけらようとも、目的の場所に辿り着けたとしても、そこで終わるのではないともわかっていた。そこからまた新たな行く先が始まる。その繰り返し。
達成という言葉がどこにあるのか。ナツミのような性格はそれすら疑問のまま、窒息寸前の薄い空気の中で青息吐息に呼吸するしかない。
何もかもが色褪せてしまった世界。
今、巧の選択をどう自分に溶け込ませたらいいのか。秋は静かに心に沈む。
会いたい。と、忍ぶ。あの人に。
* * *
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収納場所:2002年11月20日(水)