f_の日記
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 或る夜

駐屯地のように柵でおおわれたそれは、
雨の中静かにアスファルトを照らしていた。

その事件をおこしたのは、
なんだか自分でもあるような気がしたり、
死んでいった子供たちも、
自分であるような、
そんな気がしたり。

ワイパーがそんな考えをよけいに錯綜させ、

雫がふと、
人の涙のように見え、
僕はその先を見つめようと、

心を研ぎ澄ます。

2002年07月21日(日)
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