f_の日記
f_



 クモのイト


なにかの工場の数人の男が
ふと手を休めてなんとなく
ぼんやりと眺めている

うっすらけむりがかった
川の向こうに沈みゆく
すこし大きな
ゆれる夕日を

薄汚れた作業着が
まけずに映えている

車の窓ごしに僕は
どんな人生にも
ほんの一瞬の
ほんの刹那くらいは

救い
が用意されてるんじゃないかと

そんなことを考えていた

2002年06月05日(水)
初日 最新 目次 MAIL