++ Wasabia ♧ japonica ++

平凡で退屈な日常の中にこそ、目を向けたい一瞬がある。
大事なことは、いつもその中にしかないのだから。

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◆ 2002年06月20日(木)
生まれいずることの出来なかった小さな命へ
世の中には、存外、無神経な人間が回りに多くいたりする。

私が前に書いていた日記を長期休載という形をとって閉鎖してしまったのは友人ともめたのが理由だと1stの日記にも書いたこと。

揉めた理由というのを書かなかったのは、あの時はまだ事が起こった直後で生々しくて自分の気持ちも感情も正常でなかったから。感情で文を綴ると支離滅裂になりやすく自分にとって都合のいいことしか書きそうにない。

それも、少しイヤだったから。





友人と縁を切って1ヶ月が過ぎた。自分の感情も正常だ。多少は客観的にモノが見れるだろう。


最近、エンピツ内で不倫相手の子を身ごもり堕胎させた事について書いてある日記の文章の、あまりにも無神経な文章に触発されて、批判している日記が数件目に止まった。

それも、誘発剤に十分になっていることは否定しない。




縁を切ったその友達は、彼女を妊娠させてしまったのだが、それに対しての友人の態度とその彼女の行動が、どうしても不可解で、私を信頼している友人が見ているということを承知の上、それを批判する内容を前の日記にupさせた。それが今日の日記のタイトルと全く同じ。



彼が恋人である彼女の妊娠を知ったその3日後、彼女が自分のおなかに子供がいると知った4日後、あっけなくその命の炎は消された。
こんなにも簡単に命が消されることに母親として女として同性だから、やはり憤りを感じてしまう。

あまりにも早い決断。

彼女の行動は不可解。彼の耳に入れるときにはすでに「堕ろす」という結論で、相談ではなく報告だったこと。電話で済まそうとしたこと。
十分に結婚して出産という道を選択可能な立場であるのに関わらず、自分一人の独断で命を扱ってしまったこと。

彼女の心の中には、彼に負担をかけまいとしての愛情のつもりだったのか、それとももうすでに愛情すら冷めてしまっていたのか。


どちらにしても私には利己的に思えてしょうがなかった。


だけど所詮当事者じゃない私に、本人の苦しみや悩みが理解できるわけでもない。
傍観者という立場を絶対に崩してはいけない。


欲している助言以外、発しないように心がけていたつもりだった。

堕胎の日までは。









実は彼にはその時すでに好きな女の子がいた。
恋人よりもその女の子が好きで、態度に出やすい彼のこと、きっと彼女の前でもそういう態度でいたのだろうと思える。

彼女は、妊娠したので堕胎するという報告と、そして別れを一緒に切り出した。

産むといわれたら正直困ったと彼は私に本音を吐いた。
それが男の正直な気持ちなのだろう。

その他、聞き捨てられないようなとんでもない本音を数々吐いていった。
それらは、動揺している気持ちが言わせているのだろうと判断して、彼のやるべきことを出来るだけ指摘していったつもり。
彼は私には悪態をつきながらも、彼女に対して子供に対して誠意を示していったと思う。







だけど、彼の日記を読んで私全身が総毛だってしまうほどの不愉快さを覚えた。






彼の好きな女の子と会えた喜びを綴っているのである。
堕胎した当日だ。
おちゃらけたようなふざけたような。

彼が会いに行ったわけではない、何も知らない女の子が会いにきただけ。
それはわかってる。

わかっていても、自分の子供を堕胎させた彼女も読むだろう日記にそんなことを書く神経に吐き気がした。







その翌日、批判と共にこの世に生を受けられなかった小さな命をお祈りする日記をupした。

彼からは即メールがきた。それは感謝のメールだったけどもそれに対して、痛烈な批判のメールで返信した。

その結果

「おまえは母親の性が言わせたことと言うが、オレにはタダのエゴにしか聞こえなかった。はっきりいって不愉快だ、喪に服する方法まで他人にとやかく言われたくない。これ以上はこの話はしたくない、返事もしないでくれ」


空で言えるほど、この文章は復唱したので何も見ずに書いてしまえる。
微妙に、いや、少し違うだろうがだいたいこんな感じのメール。


もちろん。捨て置いた。返事するわけもない。


その後、友人との関係は少し修復した。
けども、彼のその後の行動を聞いていることができなかった。

彼は堕胎1週間後、好きだった女の子に告白、付き合うことになったらしく、彼の話はその女の子ののろけ一色と化していた。

彼女との幸せな日々を綴った日記も即立ち上げていて、ランキングでも上位を誇っていた。








自分と他人を比較するのは、危険なこと。
「私なら」という言葉が何度も口をつきそうになる。

だけど、敢えて書く。

私なら日記なんて書けない。

小さな命が自分のエゴのために消えてしまったら。
恋愛なんて出来ない。





彼は彼なりに子供に対してのいろんな気持ちがあるのだろう。
反省もしただろうし、罪悪感にも悩まされただろう。


でも私にしてみれば、軽い。軽いのだ。羽のように軽い。


落ち込めとは言わない。
だけど、命の代償は払えといいたいのだ。

せめて1ヶ月、いや半月。
自粛する心はなかったのだろうか。





私は彼との連絡を静かに途絶えさせた。
何度もメールがきて、電話の着信履歴が沢山乗っていた。
それも数日で消えた。


彼はそれなりに私を慕ってくれていたと思う。
親友だと言っていた。
彼にとってその親友が、どれほどの価値があるかは私は知らない。






彼から私という存在を消すということは、彼にとって代償になっただろうか。




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色んな話を途中まで書いては捨て置いている。
気が向けば書くつもりではいるけど、どうしても続きが書けない。


理由はいろいろ。
私はそんなに強い精神を持っているわけではないなと思うこの頃。
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