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鮭は、川で産み落とされた卵から孵り、 川を下り、海に出る。そして大きくなって 自分が生まれた川の上流に向かって川を上っていく。 自分の育った場所で子供を育てたいという気持ちは 原始的なものなのかもしれない。 けむに聞いてみたけど、そういう気持ちはないらしい。 母だけが持つ気持ちなんだろうか、、、。 いずれ、愛媛に定住したいといったら、聞き入れてくれた。 いずれ、お金をわんさか儲かるようになったら、愛媛で のんびりしよっかと笑って言った。 …お金がわんさか儲かるようになるのはいつのことか…。 夢音も小学生になっているかもしれない。 そのころにはもう引っ越しはできない(したくない)なぁ。 引っ越しして友だちと離れる、その土地から離れる、住み慣れた家から 離れる辛さはよく分かってるから。 その上、言葉(方言)の違う場所への引っ越しは子供には苦痛だろうから。 …お金がわんさか儲かるころにはここにも慣れているんだろうか…。 死ぬまで伊予弁で生活できないのかとちょっと絶望的な気持ちになる。 伊予弁から離れ、もう使えない悲しみを知ってるだけに、 けむに使いなれた関東弁を捨てろっていうわけにもいかないか…。 けむがそう感じるかどうかは微妙だけど。
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