ハラグロ日誌
書人*ちる

   

  




ローレライ
2005年03月07日(月)
映画「ローレライ」を観てきました。先に小説版を読了していたのですが、やはり戦争を扱った作品の映像化ってとても難しいんだなぁ…というのが正直な感想です。
CGも特撮も間違いなく今の最高の技術で、お金もかけられていて迫力もあったと思いますが、なんだろう…よく分からないけどクリーン過ぎたのかもしれません。ああ、このシーンはCGなんだなぁと思いつつ見てしまいました。潜水艦内の臨場感溢れるシーンや役所さん達俳優陣の淡々とした演技には本当に心打たれたのですが…。物語の終盤になるにつれ、自分もだんだんと若者を守り盾となるべき年長者側の視点になりつつあるとひしひしと感じました。最後の艦長である役所さんや乗組員達の場面が頭にこびりついて離れません。
大平洋戦争モノなので、フィクションとはいえ実際に起こった戦争が題材です。なのに未だにここに触れちゃダメ、みたいなタブーがある感じはどうしても否めません。小説版で福井さんが描いていたパウラの歌う藤村の「椰子の実」、そして玉音放送のシーンがカットされていたのが何より残念でした。
この作品に関しては、映画だけでなく、映画を入口として是非とも小説版「終戦のローレライ」を読んでみてほしいと思います。

私の最も愛する歴史小説「坂の上の雲」も映像化されると聞いて楽しみにしていますが、CG満載とかで作られるんだったら、どうなんだろう…。著者である司馬さんご本人が生前映像化を許可しなかったのは単なる戦争映画になってしまう事への危惧だったそうです。そういうものを汲んで大切に制作していただきたいと、いち歴史ファンとして、切に切に願って止みません。









設計*しゑ(繊細恋愛詩)
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