ハラグロ日誌
書人*ちる

   

  




母犬の瞳
2003年10月07日(火)
先日、市のイベントで川沿いの弁天像像をめぐるウォーキングラリーがあり、お手伝いに行ってきました。会場に駆け付けると、皆がめいめいに子犬を抱いています。
「どーしたんですか???」
事情を聞くと、動物愛護のボランティアをされている方の自宅の前に大きなケージごと、母犬1匹と子犬が6匹捨てられていたとの事・・・。その使い古された立派なケージを見ると、かつてはこの犬たちを飼っていた人間のした行為なのだと思わざるを得ません。どのような事情があるにせよ、こんな風に家族を意図的に捨てるという行為はあってはならない事だし、ボランティアの方に相談した上で里親募集するならともかく「この人なら、なんとかしてくれるだろう」と安易な他力本願で犬たちを押し付ける行為は卑劣以外の何ものでもありません。
愕然とするような酷い話と、何も知らない無邪気な子犬たちのはしゃぎよう、母犬の愛情に満ちた眼差しに怒りと哀しみがこみ上げてきました。
雑種なのでしょうが、母犬・子犬ともに顔だちといい、毛並みといい、本当に美しい犬たち・・・。
イベント会場に「里親募集」の貼り紙をすると、道ゆく人たちも子犬の愛らしさに足を止め、笑顔がこぼれます。夕方までに子犬5匹については、引き取りたいという希望の方が見つかり、とりあえずお試しでボランティアの方が引き渡しをしました。1匹、2匹と抱かれていく子犬たちを見送る母犬の瞳がとても切なく、それでも引き止める事もしないのは、捨てられた哀しみを知っているからなのか・・・。
母犬と残った1匹の子犬はボランティアの方が引き取る事になり、それぞれの5匹の子犬たちが貰われていった先のご家庭も家が近いという事で、またお散歩コースで会いましょう!というお話をされていました。
ご家族全員で改めて御礼に来られた里親さん、「名前を決めました!」と報告に来てくださる里親さんの笑顔には救われる思いでしたが、これから家族が増え、環境が変わっても共生していけるかどうかは、相性も含めてまだまだ現段階では分からない事です。
これから先もずっと里親さんのもとで、子犬たちが愛し、愛されて犬生を全うできる事を切に祈るばかりです・・・。









設計*しゑ(繊細恋愛詩)
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