HERE, NOT SOMEWHERE...Hiroyuki Morikawa

 

 

ある日のこと、坂道にて - 2006年07月02日(日)

スタジオ練習に車で行く時には、
途中でしょうた宅を経由していきます。
しょうた宅にたどり着くためには、
道幅の狭い上り坂を最後に通らなくてはいけません。

ある日のこと、
その坂道の真ん中を、小さなかわいらしいおばあさんが、
よたよたゆーっくりと歩いていました。
買い物のカートを杖代わりにして坂道を歩いている、腰を曲げたおばあさん。
進んでいるのか、止まっているのか、いや、でも確かにわずかに前進してる。
歩く速度は、分速2メートル程(笑)。
耳もだいぶ遠くなっているようで、
もちろん僕の車には気付くことはないのです。
その日は、時間に余裕があったので、
僕の車もその速度で、およそ20メートルの狭い上り坂を進むことに。
でもさすがに時間が経つにつれ(5分くらい)、だいぶ不安になってきたので、
次の曲がり角でおばあさんが曲がらなかったら、
声をかけてみようと思いました。
「すいませーん、車が通ります」と。
僕は、車のクラクションの音が苦手(だいぶびっくりするので)、
ましてや、こんなおばあさんに鳴らしてしまったら、、、、
なんて考えている間に、おばあさんは曲がり角をゆっくりと右に。
「あー、ひと安心」と思って、
右に曲がったおばあさんの後ろ姿を眺めながら、
ゆっくりと通り過ぎようと思ったその時、
なんとそのおばあさんは、くるっとこちらを向いて、
ニコーっと笑顔をみせて、お辞儀をしてくれたのでした。

「うーん、気付いていたのね、おばあちゃん(笑)」。





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