HERE, NOT SOMEWHERE...Hiroyuki Morikawa

 

 

nightblooming - 2004年03月02日(火)

「silent roar」、もう聴いていただけましたでしょうか?

個人的には、(前のメルマガでも書きましたが)、1曲目から2曲目への流れが気に入っていたりします。

今回の作品は、昔からある曲もあれば、新しくできた曲もある、曲調としても個性が強いといいますか、バラエティーに富んだ雰囲気でしたので、そういう意味での不安は大いにありました。
そんな中で、色々ともがいている内に、nightbloomingが生まれて、そして、そのままseekへとつながる流れを思いついて、その時から、僕の中で、今回の作品に対する思いが固まった感じがしました。

seekの歌詞は前からできていて、seekで歌っている内容(簡単にいうと今の社会の現実という感じでしょうか?)とは、対極に位置するような、そんな景色を思い浮かべて1曲目のnightbloomingをつくりあげました。
その景色がどういうものなのか?、それは、もちろん答えは無いわけで、聴いていただいた方それぞれが、想像していただけたらと思っています。

前作をつくっている時も、同じような意識があったのですが、

『世の中はみんなが思っている以上に醜いものである、
 世の中はみんなが思っている以上に美しいものである』

というような思い、そういった所から僕は、
「決して現実から目をそらしてはいけない」と考えています。
そのような意識を持って、1st、2ndを仕上げてきていて、この先も、さらに説得力のある音での表現を模索していきたいと思っています。


・・・・・・・・・・・・


少し、かたい話になってしまったので、ここで余談を。
nightbloomingで聞こえる川のせせらぎ、虫の鳴き声、あれは、
自宅のすぐ近くの森林公園のような所で録音をしました。
人の声や、車の音など、全く入れたくなかったので、
深夜2:00過ぎに録音をしに行きました。
(ちなみにorganic stereoの「the flog princess」の時と同じ場所ですが、   
 あの時は早朝で、今回は真夜中)
できる限り、森の奥の雰囲気を出したかったので、
可能な限り、奥へ奥へと入っていきました。
そこには、灯りはひとつもなく、本当の意味での、真っ暗やみ。
で、もう少しだけ進むと、古びた小屋のような家があるのですが、
そこでは、10年程前、首吊り自殺がありました。
なんだか、字を打っていて、恐くなってきた(笑)。
ただでさえ、暗闇で恐ろしいのに、そんな事実があると、
手足が余計に震えてきた僕だったのです。
懐中電灯を持っていたのですが、ヘタに回りを照らして、なにか見えてしまったら恐いので、あえて点灯させずに、10分程、目をつむる感じでたえました(笑)。
あんなにも、10分間を長く感じたことはなかったことでしょう。
怪談話など、あまり強くないのですが、そんな僕があの瞬間を耐えられたのは、きっと、「silent roar」に対する強い思いがあったからなのでしょう(ってそういう問題なの?・笑)。

こんなエピソードを知って、改めてnightbloominngを聴いてみて、
川のせせらぎと虫の鳴き声以外のなにかが聞こえてきたのは、
きっと、あなただけではないはず・・・(笑)。




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