くりくり♪

2006年11月20日(月) 山羊の十七番。

先日図書館でてきとうに借りてきた本、4冊読了。簡単に感想など。
その間に「幸福な食卓」は購入して読了。これは別のとこに。

*津島佑子『黙市』
 何の予備知識もなく、「だんまりいち」というタイトルと、夢と記憶の
 話ってことで。読んでいくとだんだんだんだん辛くなってくる...(苦笑)
 こういう感じの物は嫌いではないのでそういう意味ではとても面白いし、
 ぐんぐん読み進めているんだけど、辛いきもちがこちらにも伝染してくる
 ので、息をたまにぐっと呑み込まないとヤバい感じ。あとで、調べたら、
 太宰治の実の次女だそうで。それを聞いたら何か納得。言いたいことは
 いろいろあるだろうと思う。娘しかわからないことがいっぱいと。
 あと、NHK「純情きらり」の原案もこの人なんだって。びっくり。

*山本文緒『ファーストプライオリティ』
 31才の主人公の小説が31編という短編集。実は山本文緒さんは初読。
 すごく読みやすい。1作品が10ページ位でとてもテンポよく読める。
 特に好きなのは「空」と「嗜好品」。長編なども読んでみるつもり。

*瀬尾まいこ『優しい音楽』
 他に2編。音楽っていうとこに期待して読んだけど、私的には表題作より
 『ガラクタ効果』がすごく良かった。はなこさんがある日、ホームレスの 
 佐々木さんを拾ってきて、同棲している章太郎と、奇妙な3人の生活を
 数日間送るっていう話。佐々木効果あるねー。章太郎がとてもいいです。

*橋本紡『ひかりをすくう』
 今回のめっけもん!淡々とした文体に誠実さがこれでもかと詰められてて
 私のツボな作家みっけーって感じ。すごくいい。ほんと、すごくいい。
 ある件で智子がかかってきた電話を切れずにいた時に哲ちゃんが勝手に
 フックを押して終わらせてしまう。そしてごはんを食べようと提案して
 おいしいパスタを作ってくれる。その間、もうその電話の話を一切しない。
 そこのところがすごくジーンときた。こういうやさしさってたまらない。
 哲ちゃん、すごくいいなぁ。触れるとこと触れないとこの匙加減が絶妙。
 何か心に残る作品だったので、橋本さんの他のも読んでみたい。

今回は借りたの全部読めた。珍しい。


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