角田光代「空中庭園」ちょっとまえに読了。 文庫になってたので購入。 もともと家族ねたを扱った小説ってすき。 連作形式で6人の視点それぞれから語られるという構成がとても面白い。 娘→父→母→祖母→家庭教師→弟。 それぞれ性別も年齢も違うけど妙にリアリティがある。 隠し事を持たないという家庭方針がある家族。 一見、平和そうに見える家族。 そのギリギリの逆側にあるそのそれぞれの心の内の本当のきもち。 こわい。 こわすぎる。 もしかしたら自分がこれから新しい家庭をもつことができたとして、 こういう家族になるかもしれない(もしかしたら世の中ほとんど こんなものかもしれない…)と考えたら、私にはおそろしくてむり。 家庭だけじゃなくて、社会生活をしてると、こういう状況というのは 自分の身近にあるということは気がついてしまっているし、だからって それを仕方ないと呑み込んでもなお同じ生活を続ける程大人でもないので だから今自分はこんな風にしか生きられないし、それで納得しているんだ と改めて思う。自分の中でほんとうに信じられる人はほんの少しでよくて、 みんなによく思われなくても別にいいというか。せめてその人たちには 誠実に接したいし、自分のきもちにもそうでありたいし、家族とほんとに 信頼できる人に対してだけは自分のきもちに嘘をつかないように生きたい。 というかそうでないと生きていられない。自分のほんとうの気持ちを全て 曝け出すなんてむりだし、したくない。それでいいと思う。隠し事がない なんてウソだと思う。それをわかった上でお互いに適度に気をつかえて、 無理しない関係が理想。それは性別問わず誰に対してもね。 うちの家族は皆がある程度それぞれに対して気をつかっている気がする。 それはムリしているとかではなく、自分にとって心地いい程度の。 それは私からの想いだから皆がどう想っているかはよくわからないけど。 というかわからないままでいいや。 逆に言うと、わたしが器用に生きられないことが幸いなのかもとも思う。 うそくさいことに対しての拒否反応があるうちは何となく大丈夫かもと。 他者との関係について考えさせられる小説。とても面白くて私は好き。
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