un capodoglio d'avorio
時計台のある建物の一室でまず、 入学金を収めることになっていた。 その入り口には、有象無象のサークル勧誘ソルジャーたち。 どかはHD25(ヘッドホンね)でZAZENBOYSを聴きつつ入ったのだけど、 なぜかソルジャーたち、どかにはチラシを渡さない。 なぜだろー。
理由その1:「こいつは老けてる、新入生じゃあるまい」 理由その2:「ヘッドホンで自分の世界に入ってる、アブナイかも知れぬ」 理由その3:「華奢すぎる、わがアメフト部の戦力にはならん」 理由その4:「・・・ほ、惚れたわ」
さあ、どれでしょう。
ともかく入ってみると列が長く伸びてる。 最後尾について、係のヒトから名前を記入する用紙をもらう。 すると、どかの後ろでなんかがちゃがちゃ。 HD25を外して振り向くと、中東風の顔立ちの男性と係のヒト。
「No, English ? No? Why?」 「カタカナでお願いします、カ・タ・カ・ナ!」
なるほど、わかりやすい状況だなあと思いつつ、 係のヒトがいつちゃんと説明できるのか見てたら、 このヒト、意地でも日本語以外は話したくないらしい。 ま、京大だし、学生誰か助けるでしょ。 とか思ってたらそれを遠巻きに見て、誰も助けない。 おいおい、と思いつつ、ま、どかもちょっと様子見してたので、 それもいけないか、と消費税分くらい反省しつつ助け船を出す。
「ああああ、すいません、ちょっとお手伝い下さい!」
と、係のヒト、どかに深々と頭を下げて、自分の仕事にさっさと戻る。 京都大学・・・それでいいのか?
で、まだカタカナやひらがなも書けない彼のも、 用紙を埋めてあげるために、名前を聴く。 やっぱりちょっと聞き慣れない響き、どこの国だろう? 行きがかり上、列に並びながら少し話すことになったので聴いてみたら、 その見かけ30代半ばな感じの彼は、イラン人だった。 何と医学部の大学院へ入学するらしい。 国費留学生なのかな、もうすっごい賢いんだろうなあ。 どかも自己紹介したら、イランに面白い画家が居るんですよ。 とか、いろいろ教えてくれる。
どかは為替で、彼はキャッシュで支払いを済ませ、 その建物の前で別れる。 e-mailアドレス教えてくださいと言われたので、 「もちろん」と紙に書いて渡して、笑顔で握手。 その後、どかは「人環」のオフィスで残りの手続きを済ませる。
ふむ・・・。 わりとスムーズに言葉が出てきて安心した。 この前、M先生と飲み会で話したときは、 英語、あまりの錆び付き具合に愕然だったけど、 きょうは結構普通だった、やれやれ。
でも、良い出会いだったと思う。
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