un capodoglio d'avorio
2003年05月23日(金) |
レオン・スピリアールト展@ブリヂストン美術館 |
青山でイタリア語の「おけいこ」出たあと、 そのまま東京駅に向かって新幹線に・・・ と思ったけど新幹線混みこみやったし、ちょうど八重洲に近いし。 というわけで、気になってたブリ美に行くことにした。 したら・・・ツイてる、わたし、大当たりー!!
レオン・スピリアールトとは20世紀初頭のベルギーの画家。 割とスタンドアローンな感じだったらしい。 どかはもともと、ベルギー象徴主義は大好きだったし、 クノップフとか超ラヴ☆って感じだったし、 見たことはなかったけどきっと気に入るだろうなって思ってた。 ら、気に入った、すごい、好き、面白いこのヒト。
平凡な日常風景に自らの孤独や不安を投影し、 それを神秘的なものに変貌させるということ (レオン・スピリアールト展ちらしより)。
と、いうリード文はとても的確でその通りだった。 でもいろいろスタイル的な変遷がかなりくっきり表われたヒトで、 それぞれの時代で紙の上に載ってくるイメージは全然違うんだけど、 でも、スーっと一貫した「祈り」が浮かび上がってくるのが、良い。 この「祈り」は、それこそ平田オリザ的不条理への不安、 舞台「隣にいても一人」で気づいたら「夫婦になってた」二人が、 気づいたら離婚してないといいなーって切なく見詰め合ったあの沈黙。 ・・・って感じなんだけど、なんだろう、 ほんっとに強力に、囚われてしまったよ、私、久しぶりに。 もっと、何かある気がするんだけどな、 うまく、、、書けない、悔しいな。
確かに、具象と抽象の間に咲いたあだ花だわ。 岸壁に咲いたすみれが何かしらの「祈り」を 感じさせずにはおらないように、 スピリアールトの作品もその「ありえない」座標に ゆれながら沈下する水泡だ。 基本は具象なんだけど、そこに抽象を貫入してきた瞬間、 そこに摩擦熱が発生する変わりに、すぅっと温度が冷えるんだよね。 そう、そんな感じなんだ、それが、切ない。
それ以外にも、展覧会として、 学芸員の仕事がとても素晴らしいと思った。 展示の構成や、導線の張り方、説明板の内容など、 渋谷Bunkamuraのザ・○ュージアムのそれとは明らかに質が違った。 最後にここに来たのって、確か3年前やったけど、 久々に見る常設展も楽しかったなあ、いいじゃんいいじゃん。
しかし・・・。 ミレーは満員御礼で、こっちにはそれほど入らない。 ゆったり観賞できることはありがたいけど、 ・・・寂しいことだわ「愛と資本主義(by岡崎京子)」、 と、思いつつ東海道新幹線は西へとひた走って。
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