un capodoglio d'avorio
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2003年01月22日(水) 「ピルグリム」と「海よりも長い夜」について補足

読み返してみて、あと、時間をおいて考えてみて、鴻上氏の「ピルグリム」にフォローを入れたくなったので、少し。

鴻上尚史のブルーハーツ好きは有名だ。

で「ピルグリム」、幕が開いたときに流れたのは、最近出たブルーハーツへのトリビュートアルバムのバージョンで「青空」だった。反則、反則なんやけれども、これを聞かされると、鴻上サン、キゥって抱きしめたくなってしまった、どか。例え、次の瞬間、市川右近の第一声に絶望したとしても。

あれほどの勢いとカリスマを備えたブルーハーツでさえ、殺伐の90年代を乗り切れなかったの。鴻上サンと第三舞台が沈んだとしても、だれも責めやしないよ。だから、鴻上サンは一度、しっかり「沈没(@スナフキンの手紙)」したらいいんじゃないかな。もしくは、いまみたいに、過去の遺産(遺産て「戯曲」だけじゃなくてあの旧来然とした「演出法」も)をこねくり回すのはやめて、ヒロトがブルーハーツをリセットしてハイロウズを始めたように、完全にリセットする勇気を持たなくちゃ。すごいすごい、困難なことだろうけれども。

グロリアスな過去は、人生を狂わせてしまうねー、やっぱし。

さて、青年団。

どかは、言わずと知れた青年団フリークなわけだけれども、集客力という点で言えば、そんな苦戦してる鴻上氏のほうが、青年団をはるかに凌駕するのね。ぶぅと一緒に観に行ったのは土曜日のソワレの三軒茶屋。それでも観客率は70%いくかいかないか。もはや知名度が低いという言い訳がきかないのは、オリザサン自身が一番良く知ってるでしょ。NHKのスタジオパークに出るわ、ニュースのコメンテーターとして出るわ、自身の露出度もかなり高いし、著作も新書などで発行されるくらいメジャーだし、海外公演も日本の全劇団中、最も頻繁に行ってるし、東京の芝居小僧で、もはや青年団を知らないモノはいない。

それでも、週末のシアタートラムなのに、座席が、埋まらないのだ。それは、やっぱり端的に、ぶぅを味方にすることができなかったことに象徴されてるのだろうか。青年団の芝居は、確かにスノッブな香りがするときがある。敷居が高いように見える瞬間がある。

野島伸司はいま、視聴率で苦しんでいる。そのことで作品の質が落ちないかと、多くのファンがやきもきしてる。テレビドラマと演劇は、違う世界。違う世界なんやけれど、本当に大丈夫なん?って少し、心配。

まー、青年団、褒めてばっかりやし、基本的には全肯定やけど、重箱のスミ的つっこみを入れてみたかったのん。


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