何年ぶりかの再会だった。 街は何も変わらず只時間だけが闇雲に流れていた。 まるでそこには小学生の自分がいるように思えてならなかった。 『元気かい?』と声をかけたくなるほどに。 山に囲まれた小さな街は小学生の頃とまるで変わらずに 自分だけが年を取ってしまった、という寂しさもあった。 街を離れてから随分と年月が過ぎ、 幼い頃の思いでが詰まったこの街で過去を思い返していた。
不思議と安心した。 こんな自分にも帰る場所があって、 暖かく迎えてくれる人達がいて、それは家族以上の愛情で包んでくれた。 ここで自分の基盤があり成長していった。 生きていた。 ふりだしには戻れないけども、時間が少し逆回転して 遠くの方で無邪気に走り回っている自分の姿が見えたような気がした。 久しぶりに暖かさを感じた。 包んでくれた人達・そして街に感謝している。
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