青から赤へ点滅を始めた。 誰かが僕を追い抜かし走って渡っていった。 それほどまでして急ぎの用事があるのだろうか? 僕は赤になった信号を眺めつつもそんなことを思った。 皆先を急ぐ。 行き急ぐ。 生き急ぐ。
ふと立ち止まって周りの風景でも見れば いつもとは違う発見ができるかもしれない。 さっき考えていたコトの続きをまた考えるコトもできる。 アイデアが浮かぶかもしれない。 車が横切り、音だけを残して走り去っていく。 反対側で待つ人は大きな欠伸をした。
何気ない日常の数々。 見逃している瞬間に立ち止まったことを誉めたくなった。
赤から青へと信号は変わり、いつもより少し大股で歩いてみた。 白いところだけを辿りながら。 いつも通りの日常へと戻っていった。
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