march forward.
りりかの独り言。

2008年04月28日(月) 再会。

春らしく晴れた、暖かいある土曜日。

私は友達との約束で新宿に向かっていた。

土曜のお昼という時間帯で。

電車はがらがらだった。

私は座ってゆっくり外を見ていた。




もうすぐ新宿、というときに、友達からキャンセルのメール。

友達とは夕方から会う約束をしていたんだけど。

少し早めに行って、買い物でもしようと思っていたから。

突然のキャンセルのメールに、がっかりしつつも。

一人でゆっくり買い物しよう、と思う。



栄には。

「友達からキャンセルのメールが来ちゃった。でも、もうすぐ新宿だから、買い物して夕方帰ります」

と送る。





新宿について、あちこちお店を見て、もうすぐ誕生日の次女の洋服を見たりして。

お茶をしていこうと寄ったマックで。




私は、思いがけない人に会う。






「久しぶり」

目の前に立った人の声に、ゆっくり顔を上げると。

3年ぶりのハルだった。



息が。

本当に止まるかと思った。


叫ばないように、口に手を当ててしまったほど。

本当にびっくりした。




こんな、人がたくさんいる中で。

普段来ないようなこの場所で。

この人に再会すると思わなかった。






「どうして、東京にいるの・・・?」

「買い物ー。最近、よくこっちくるんだよ。友達もこっちのが多いしね」

「そうなんだ・・・びっくりした」



ハルは。

「待ち合わせ?彼氏と?」

なんて言いながら、私の前に座った。

「ううん、一人で買い物・・・。もうすぐ次女の誕生日だから」

「あ、そっか、もう15歳になるんだね」



なんだか、夢じゃないかと思うくらい。

私からしたら、現実味がないこの状況に。

ハルは、つい最近も会ったかのように、自然に話しかけてくる。

私は、微妙に震えていた。




「元気そうだね。結婚はした?」

昔のままの笑顔で、ハルは聞いてくる。

私は、ドキドキがやっと落ち着いてきて。

「元気よ。結婚は、まだしてない」

と、答えた。




「ね、時間ある?ちょっと飲まない?真昼間からなんだけど。あ、車?」

ハルは質問を連投してきて。

私は困って黙ったまま。

「りりかが嫌ならいいんだけどね。でも、3年ぶりだし、いろいろ話もしたいじゃん?んで、俺らって言ったら飲みじゃん!」







どうして、きっぱり断らないんだろう、と考えた。

好きとか嫌いとか、そんな感情は一切ない。

ただ、懐かしいだけ。

ハルが、懐かしいだけ。




栄のことが何度も何度も、頭を駆け巡った。




絶対に言えない事。

してるんだよ?

って、何度も思った。


なのに、私は言ってしまった。


「じゃ、ちょっとだけ」


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