朝から具合が悪かった。
仕事中も、寒気と吐き気で。
多分、風邪か・・・最悪インフルエンザかな。
なんて考えながら働く。
子供たちは実家に泊まりに行っているから。
今日は私が彼の家に行くことになっている。
会うのは2週間ぶりかな。
私は明日休みだけど、彼は仕事だから、休みの私が行ったほうが都合がいい。
彼が休みの場合はこっちへ来る。
いつの間にかの取り決め。
具合はどんどん悪化していくのが分かった。
絶対に熱があるだろうなぁって、思った。
食欲なんかないから、またビタミン剤とかでごまかす。
高速運転していくの、危ないかな、止めたほうがいいかな、とか思ったりもしたけど。
でも、どうしても、あいつに会いたくて。
薬で一時的に熱を下げて、効いている間に運転するように逆算しよう、なんて思って。
仕事中は飲まないようにしたりして。
なんだか、すごく必死。
Eとは、今日は引継ぎで会った。
昨日は向こうが休みだったから、会わなかった。
「顔赤いけど、大丈夫?」とか言われて。
「大丈夫だよー」とか返して。
結構、よそよそしくしちゃった感じもあったけど。
「じゃぁ、後はよろしく。お先です」って、言って車に乗り込む。
運転中、あいつから電話。
「あと1時間くらいで家に着くよ」
「私も今さっき出発したところ」
「なんか鼻声だね」
「風邪引いたのかも」
「え!?熱は?」
「店から直だから測ってないけど、大丈夫だよー」
あいつのことだから、熱っぽいなんて言ったら、絶対に「来なくていい」って言うから。
ここでも私は必死で、テンション上げてみたりする。
なのに。
「だめだよ、だめだめ」って言われちゃって。
「どうして・・・大丈夫だって!」
「家に帰りな。危ない。なんかあってからじゃ困る」
大丈夫だよ、絶対にだめ、の押し問答の末。
結局家に帰った。
子供たちもいないし、寒い部屋に。
熱を測ってみたら38度。
薬効いてもこれか・・・って、思いながら布団に入った。
熟睡してたらしくて、玄関のチャイムの音で目が覚めた。
なんとなく、予感はしてたけど。
インターホンで確認したら、あいつだった。
「明日はこっから仕事いく」
って、仕事着のままで来てくれた。
私のおでこを触って「すごいあるんじゃないの?」って熱を測らされて。
39度。
「来てよかった・・・」ってため息つかれて。
「ごめんね」って言う私を、あいつは「何で謝るんだよ」ぎゅって抱きしめてきた。
ポカリと、鍋焼きうどんと、熱冷まシートを買ってきてくれた。
すぐに鍋焼きうどん卵とじを作ってくれて、食べさせてくれた。
夜中に、なんかすごく具合悪くなって、耐えられなくて起こしてしまったときも、抱きしめながら背中をさすってくれた。
うとうとするんだけど、眠るとこまでは行かない私に「大丈夫だよ」って言いながら、小さい声で子守唄を歌ってくれた。
全部、全部、ありがと。
あなたは、優しすぎだよ。
|