march forward.
りりかの独り言。

2003年12月06日(土) 10時間

夜7時過ぎ。

職場でトラブルがあり。

本部へ急に行くことになった。

土曜の夕方って事で、道も混んでて・・・。

ボーっとしながら、運転中。

あいつからメールが来た。

「今から飲みに行きます(汗マーク)」



・・・。

昨日の電話で。

日曜は完全に仕事になっちゃったーと言ってたあいつ。

なら、明日の土曜はまさかまた(キャバクラに)飲みに行くんじゃ・・・なんて私が言った。

行かないと思う。なんて言ってたあいつ。

思うって何よ?って聞いたら。

いや、行かないってば。約束する!って言い切ったあいつ。


なのに、飲みに行くってなんですか?


「はぁ?」

って返した。

もう、このまま仕事を放り出して、高速に乗って、あいつの所に行って、殴ってやろうかなと思うくらいの怒りの中。



「飲みに行きます。これから腹ごしらえしてから行きます」

返事のメール。

「勝手にして」

心からそう思って、返信した。



運転しながら。

なんだかどんどん気持ちが冷めて行く自分に気付いた。

キャバクラの嘘がばれたのって、先週だよ?

今日、本当にキャバクラじゃなく、普通に飲みに行ったとしても。

私はもう、そんな言葉信じられないんだろうなぁって。


なんだか、どうでもいいや・・・。


そんな風に、悲しくなるのを通り越して、呆れてきてしまった。



少しして、あいつから電話が来た。

一瞬出るのをためらう。

あいつは、飲みに行く前、必ず電話をしてくる。

夜、長く電話が出来ない分の変わりに少しだけ。



「はい?」

「もしもーし。飲みに行くから電話しました」

「そうですか、分かりました。じゃあ、気を付けて」

「待って待って!!!切らないで、切らないで!!!」

切ろうと思って、耳から電話を離したら、あいつの焦っている声がする。

なんでそんな言い訳がましいのよ。

だったら、最初から行かなきゃいいじゃん!


「何?今ね、トラブって○○まで、運転中なんだわ。悪いけど、危ないから切りたいんだけど」

「えーー、大変だねー。今日は残業確定かな?」

「まだ分からないけど。まぁ、残業すれば、残業代つくし、いいよ。暇だし(ここを強調してみた)」

「あのね、飲みに行く場所なんだけど」

「いいよ、聞きたくない」

「だから、待ってよ!切らないでよ!」

「切ろうとしてませんが」

「・・・。あのね、飲みに行く場所は!東京!りりかの所に行く!」

「・・・。え?」

「行くから、待っててね。あ、飲むのはりりかの店でって事なんだけど」

「明日休みになったの!?」

「ううん。仕事。でも、もう2週間会ってないし、会いたくなっちゃって、仕事終わってから即行で用意したんだよ!」

「なら。なんで遠まわしに、飲みに行ってきます、汗マーク。なんて付けるのよ!!!!!」


だって、驚かせたかったし。

本当はそのまま内緒で行こうと思ってたんだけど。

すげ怒ってるみたいだったし。

それに、もし予定とか入れちゃったら困るし。

やっぱり、言っておこうと。

びっくりした??



って、嬉しそうに聞いてくる。



今さっきまで、もうやだ、あんなやつ、大嫌いになろう!みたいに、呆れていた気分は、そうそう一気に上がるものでもなく。

とにかく「気を付けてね」と言った。



本部へ行き、戻って来たらすぐにあいつもついて。

ビールを飲み。

嬉しそうに、ずっとこっちを見ているから、仕事がし辛かった・・・。



上がった後。

車の中で、年末の予定を立てよう、と言い出して。

あいつが持参した本を見ながら。

色々話す。

場所は、海の見える露天風呂がある所に決定。

正月料金でちょっと高いけど。

でも、最初にあいつが言っていた旅館よりはかなり安い。

そう思っていたら。

「31日から二泊するから」

って。

結局、料金一緒じゃないの・・・。


無事に泊まる所も取れたんだけど。

少し仮眠してから帰るね、って。

私は起こす役なので、雑誌見ながら起きてた。




3時間くらい寝て、真夜中、帰って行った。

来て帰る、往復に4時間。

私と話した時間が3時間。

睡眠が3時間。

私のために使ってくれた時間が、10時間。



あいつが来てすぐ。

「もー、休み無いと、クリスマスプレゼント買いに行く時間がないじゃんー」

なんて、わがままを言ってしまった。

折角来てくれたお礼を言う前に、言ってしまった。

「飲みに行く」って電話から、テンションが下がっていたせいもあるかも知れない。

でもそんなのは、私の言い訳。

あいつは笑って。

「ごめんね。休み、取れるように頑張るから!クリスマス過ぎてでも買いに行こう?」

って言ってくれたのに。

私は。

「クリスマス過ぎたら、クリスマスプレゼントじゃないもん」

なんて言ってしまい。

あいつは笑って。

やっぱり。

「ごめんね」

を繰り返すだけだった。






家に帰宅した後。

10時間も。

色々な自分の時間を削り。

睡眠時間を削ってまで。

私に会うために、作ってくれたんだ。


そう思ったら。

なんだか、わがまま言ってた自分が悲しい人間だと思った。


だから、次の電話ではちゃんと言おう。

「来てくれて、ありがとう」

って。


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