march forward.
りりかの独り言。

2003年04月10日(木) 待ってて

夜の電話。


「結婚したらさー」

いつものが、始まった。

って、思った。


連日朝早くからの勤務のあたしは。

疲れてて、イライラしてた。

お酒も、飲んでた。

気が大きくなってたと思う。



「ねぇ。あたし、全く結婚するつもりないんだけど」

かなり、嫌な言い方になった、と思う。

自分でも、分かってた。





「何でそんな言い方するのー(笑)」

最初は、あいつも笑いながら、あたしをなだめようとした。

そう言うのにさえ、イラついた。

「したくないから」

「だから、なんでー」

「一度失敗してると、またしたいなんて思えないから」

「俺となら平気って思えない?」

「思えない。バツニになりたくないんだよ」




少し間があって。

「なにそれ」

って返って来た。

でも、本音。

バツニなんかなりたくない。

本当に、結婚してよかった、と思いたい。

一度結婚に失敗しているくせに、まだまだ、あたしは夢を見る。



楽しい食卓。

思いやりのある会話。

笑顔の毎日。



そんなことばっかりじゃないって、あたしは11年間も結婚生活をしてきたくせに、まだ夢を見る。

そんな生活したい。

次こそは。




「りりか。何で、また離婚するって事を前提に考えてるわけ?俺はりりかを幸せにする自信はあるし。一生一緒にいるつもりだし。同じ墓に入るんじゃないの?」

「うまくやって行けるって、今はまだ思えない。それは、Hだからとかじゃなくて、誰とでもそう。あたしが変わる事が先なのかな」

「りりかは、今のまんまでいいんだよ。何を変わるの?」

「分からないけど。あたしは、上手に結婚生活をやっていける自信がないの」




言ってる事が、分からないな。

って、自分でも思う。

「結婚は、俺はした事ないから分からないけど。でも、いつも一緒にいたいって、思ってくれてるよね?」

「うん」

「なら、いつも一緒にいようよ。それで、喧嘩もすれば、いちゃいちゃするときもあったり。俺はずっと今のまま、りりかを大事にしたい気持ちは変わらないから」

「ホントに?」

あいつは、さっきまで怒った口調だったのに。

笑いながら、言う。

「当たり前じゃん。俺だよ?1年以上一緒にいても、俺はりりかが好きで好きで仕方なくて、考えてニヤニヤしちゃう俺だよ?」




「りりかみたいなわがままで、何でも勘ぐって、ネガティブな子、俺しか、受け止められないでしょ(笑)」

あたしは、ちょっと、吹き出す。

「なにそれ。最低じゃん(笑)」

「・・・焦らないでいいよ。ごめんね、最近そう言う話ばっかりになっちゃって。ゆっくりでいいよ。一緒に、ちょっとずつ進めて行こう。俺、りりかに合わせるから」




ごめんねって、あたしだよね。

待たせて、待たせて、いっぱい待たせて。

まだまだ、再婚する勇気はない。

たくさんの、いろいろしなきゃいけない事も、あるから。



だから、もうちょっと待って欲しい。

そう言う話は、しなきゃいけない事を済ませて。

あたしが、再婚したいって思えるまで。




それまでは、あなたも不安になっちゃうよね。

いろいろと、考えちゃうよね。

でも、あたしだって不安だよ。

いろいろと、あたしだって考えるよ。



待ってて。

最終的には、あたしはあなたの所へ行くから。

何年掛かるか分からないけど。

待ってて欲しいって思うの、やっぱり、わがままだって分かってるけど。


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