あいつは。
あたしの存在だけで幸せだと思ってくれる人。
それは、離れていてもそう。
どこかにあたしがいる。
それだけで、幸せを感じてくれる人。
あたしは、何もしてあげられないし。
何も与えられない。
でも、あたしがいるだけで。
あたしが生きているだけで、とても喜んでくれる。
最初のころの日記に書いた言葉。
「きみが、寂しくて悲しくてどうしても一人でいたくない時に、あたしは、家庭の事情とかでかけつけてあげることが出来ないかも知れない。きっと、あたしたちは与えてもらうだけ、与えるだけの関係になってしまう。」
家庭がなくなった今も。
あたしたちの関係は与えるだけ、与えてもらうだけ。
そういう関係のまんまだったりする。
それはきっと、心のどこかで。
あたしがあいつにすべてをさらけ出せないからかもしれない。
そして。
今のようにあたしが愛されている、という形が崩れるのが。
怖いのかもしれない。
愛されていると言う心地よさを離したくないのかもしれない。
だから、愛しすぎるのが怖いのかもしれない。
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