そろそろ、あの別居の話から、1ヶ月が経とうとしてる。
お金貯めて、出て行く。
だんな様は、そういった。
でも、お金を貯めるような感じには見えない。
むしろ、使っているように見える。
あたしには、聞けない。
お金貯めるんじゃないの?なんて聞けない。
だんな様は、何もなかったように、生活している。
優しくはなった。
子供の面倒もみるようになった。
あたしの仕事の日は、家事を協力してくれようとする。
未来の話もするようになった。
テント買おう。
この先もずっと使えるように、いいもの買っちゃおうよ。
今の車、3年後の車検で、乗り換えない?
あたしたち、共有の未来の話。
あたしたちに、未来がある。
あたしたち夫婦に。
忘れちゃったの?
1ヶ月弱前の。
あの話し合いを。
記憶が、あの日のあの部分だけ、なくなったように。
だんな様は、平然としている。
あたしは、一人で戸惑っている。
でも。
いい機会なのかもしれない。
あいつが、無理してあたしに合わせたり。
あたしのためにとか思って、嫌な事でもしているとしたら。
もう、やめてほしい。
そう言う意味合いを込めて。
「あたしのこと、考えないで好きな事して」
あいつは、今まで走って来て。
あたしに追いつけ追い越せで。
回りも見ないで。
休憩もしないで。
その足を、あたしは緩めてあげたい。
いろいろな事を、背負うには、まだまだ、あいつは子供過ぎる。
あたしとの未来は。
楽しそう。
幸せそう。
そんな感情だけで、突っ走っている。
その先の、不安や不幸を見ようともしないで。
走って。転んで。
傷は、大きくなるよね。
ゆっくり歩いて。転んで。
さほど、怪我もしない。
疲れも、そんなに出ない。
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