2004年11月15日(月) |
朝日の読者ってずいぶん幼稚なんだね |
◆ アメリカの旅に求めし世界地図右端に小さき日本位置する (館山市 大場ヤス子 馬場あき子選)
【選者の評】アメリカから見た世界地図も、極東の小国日本の位置に感慨を覚える人も多いだろう。
※世界中どこでも、自分の国を中心にした世界地図を売っていますので、アメリカの地図では日本が右端に見える、というのは中学生でも知っているごく当たり前の知識です。その程度の幼稚な知識を、大の大人が、生まれて初めて発見したかのように31文字にして全国紙歌壇に嬉々として実名で投稿するものではありません。 「アメリカから見ると日本は小さい」とも言いたかったのでしょうが、極東地域において日本は全然「小国」ではありません。
◆ 国護ることとは何か改めて政府(くに)に問うごとく天変に地異 (さいたま市 斎藤智明 馬場あき子選)
【選者の評】この秋打ちつづいた台風禍や地震、飢えた熊の里下りによる被害などに改めて国が国を守ることを問われる思いである。
※この作者と選者はいったい何を言いたいのでしょう。国を護ることも、天変地異に備えることもどちらもそれぞれ重要なのです。自然災害や国土保全の対策だけやっていれば国を守れるわけではありません。地震に備えて家中の家具に転倒防止器具を取り付けたり、火事に備えて消火器を用意しておくだけでは家を守れません。他に三国人によるピッキングも、アカヒ記者や販売店員がしでかす強盗や住居侵入も、各家でその対策が必要です。それと同じことです。 なお、馬場あき子は以前にも同じレトリックを使っています。97年の2月に
>◆ 危機・有事備えの要を説く国に重油を素手に掬う漁民ら > (向日市 小谷敦司 馬場あき子選)
という歌を選び、その評として
>【選者の評】有事を想定した危機論を耳にする中で本当のくらしの危機とは >何なのかを考えている。事故のタンカーからもれる重油ひとつ回収できない >現実を前に、有事の想定がごくふつうの生活や環境を守るものではなかった >ことを発見したのだ。現実は実に寒々しく、個々が素手で立ち向かうほかな >い重油の海。本当の危機とは何かを考えさせる。
と書いています。国防の危機とタンカーの原油流出という、全く別次元のものを意図的に混同することによって、有事への備えを批判しています。こんな幼稚なレトリックに騙される読者は、今時そんなに多くありませんよ。
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