浪漫のカケラもありゃしねえっ!
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2000年11月19日(日) meme(ミーム)

唐突ですが、リチャード・ドーキンスの「利己的遺伝子」論って、知ってます?(思いっきり唐突やな。(汗))
単純に説明すると、「生物は遺伝子を乗せる乗り物にすぎない」という観点。で、動物の生態は遺伝子の生き残り戦略の結果である、ということ。
もちろんこれは、人間にも当てはまります。
親子・兄弟・同族の遺伝子は、大きい確率で自分と同じモノであるゆえに、同族に愛情を抱き自己犠牲さえする遺伝子も生き残る。
家族を放ったらかす浮気者の遺伝子はひたすら自分のコピーを増やすために奮闘するが、遺伝子はより自分を巡る環境を豊かにし少数の子どもを大事に育てる戦略をとり、浮気しない者の遺伝子はわが子の生育の有利になる故に配偶者達に選ばれ、かくして浮気遺伝子と浮気しない遺伝子は一定の割合で生き残り続けていく。(爆)
ドーキンスが提唱したものに、「ミーム」論というのもあります。
生物に乗る利己的遺伝子にたとえて、人間という乗り物に乗って伝播する文化・情報を「meme(ミーム)」と呼びます。言葉・技術・歌・宗教・プログラムなどなど、模倣しうる情報は、すべてミーム。
例えば、ネット上の顔文字・略語、ギャグもまた伝播してますね。罵倒する言葉などは、外国語であってもすぐ覚えてしまいがち。
単純で印象の強烈なミームが生き残りやすい例です。
ミーム自体もまた、自分を生き残らせるために人をつき動かし、強い伝播の衝動と覚えられやすさ・あつかいやすさを武器に、他のミームと生存競争を繰り返します。
そして、よりミームを伝播しやすい環境を用意するミームをも作り出させていきます。
UNIX・DOS・WIN・Macなどのシェア争いの歴史。モザイクを圧倒したネスケとエクスプローラーの戦い。あっと言う間に増大したプロバイダーやiモード加入者。ミームの伝播したいという衝動が、ネットの隆盛にもつながってますね。
論戦やギャグの応酬でいっぱいの掲示板などを見ると、「おお、今日もミームは果敢に戦っとるのう」と思うことしきり。(爆)
無機物を鍛造する技術もミーム、自動車にして走らせる技術もミーム、レースという文化を成り立たせるのもミーム、楽器を作り音を奏でるのもミーム、それを放映し出版し宣伝するのもミーム、語る言葉もミーム。そう考えるに至らせた「利己的遺伝子」論や「ミーム」論も、またミーム。
バンザイ! 世界は、ミームであふれてるのじゃ〜。v(^o^)v
これのおかげで、なんと楽しく物事を見られることか。(笑)
実際、家族に対して複雑な感情や負い目を持っていた自分には、これは救いでしたよ。
家族は、何故いがみ合うのか。己の遺伝子を乗せた乗り物を保護し他の遺伝子より生存に有利な環境を得ようとする衝動と、己を乗せうる別の環境や機会を切望する衝動を、その根本に秘めているのだ。
では、同族を憎んで反発し、故郷を離れる衝動は、何故か。環境の違う場に種をまき、同族と異なる側面を持った遺伝子の持ち主と遺伝子を混ぜあって、災害や疾病で故郷の同族とともに死滅する危険を避けるためだ。(若者は、そういう衝動につき動かされるもんなんだよなあ)
愛憎という割り切れない感情の源が遺伝子の生存願望にあるのなら、その感情にガンジガラメにされる苦悩は、幻のよう。
確率的には、2人の兄弟か8人のいとこがいれば、自分の上の遺伝子と同じモノは残っていく。
ウチの両親の兄弟・いとこの数はもっと多いから、結婚・出産なんて無理にしなくてもいいのさ! ブラボー!(爆)
遺伝子的な生存はこれでクリア(笑)したから、自分の脳内に蓄積されたミームを発信しようかなー、というのが、私の書く衝動。レゾン・デ・テール。
で、まあ、「ミーム」論のミームの発信もやっちゃわなきゃ衝動が収まらないのが、「ミーム」論信奉者のサガなのなのね〜。(笑)
そこに含まれるミームが「私」を生みカタチ作っていったように、他者にとって心動かす印象的なモノだとすれば、生き残ることもありましょう。
オモロなかったら、それまでのこと。(爆)
私の中に巣くったミーム達に「生めよ、増やせよ、地に満てよ」とは言わんけれども、「さあ、街を明るくしておいで!」くらいは言いましょうか。(笑)


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