ブーメラン・クラッシュ 2009年05月06日(水) |
そして再びあの日に還ってきた。とうとう。もう他人事のフリでいたあの時間に身を浸せば後は恐ろしく速かった。破壊へ舞い戻るブーメラン。催淫剤で猛り狂って全身が性器になってるメスのように私は貪った。自分自身を。自分の魂を。自分の肉を。自分の脳を。食い尽くされてメインディッシュが懸命に食らう。一生を懸けて食らう。愛の全てと多少の攻撃性を以て食らう。手を休めることなくひたすら食らう。永遠の野獣。一秒一秒を噛み締めながらがつがつと食らう。そしてハッと振り返る。時計はひどい時間を示している。そんな馬鹿な――終わりかけている? 終わりかけると、途方もない喪失感が押し寄せてくる。その一分一秒に堪えられない。震えて怯える、逃げ惑う、まだ最高に美しく隠微な、破壊と快楽の狭間で悶える女王でいさせてほしいと願う。そして、延長。先送りにされた休息。この世で最も美しく吠える情欲の女王として返り咲く。ドロドロに輝く隠微な冠を返上するのは、日付が変わってからまだ先になるだろう・・・そして見事に越えてゆく。気付いた後にはずたずたに滅びた容器が横たわるだけ。クラッシュ、そして、朝が来た。もうそこには誰もいない。何もなく、ただ滅びた自分と乱れた自分の部屋があるだけだ。始めよう。何を? 一日を。無理だ。全部終わった。疲れた・・・これがあの日の真実。美化など出来ない。クラッシュに女王はいない。獣も、愛も、なんにも、ない・・・。 |