悦楽の瞬間を。限りない快楽を。不吉な怪鳥が、呪わしい予言を告げに来る。引き換えに差し出すのは命。若さ。自己という唯一無二のものども。そういう感じ。 米が炊けたらとりあえず食おうと思う。だれも鳴らさなかったインターホン、静寂に溶けて消える期待をちりちりと燃やしながら、きっと明日も明後日も、来ない航空便を待っている。未来から使者が到来するのを待ち受けて。その福音に破壊されるのか、或いは満たされるのか、判ったものではない。 煎餅を食う、チョコレートを食うなどして一日を過ごす。布団カバーも干した。本も買った。映画情報をチラチラ見て「ミルク」(ゲイに関する映画)は観に行こうと決めた。チーズを食おう。酒は事情があって飲めない。ああ、消防車のサイレンが聞こえてきた。真っ白に照らし出される向かいの物件でベランダに立っているのは若い奥様だ、手旗信号でも振ろうか。や ら な い か。 |
writer*マー | |
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