パン屋でお勧めのメニューを尋ねると「どれもうまいっすよ」とオナケン氏は誇らしげに笑った。レジを打ってもらった。えぐちさんと抗鬱剤の話をした。「きちがいに きちがいに効く薬が」私達は奏者の現れたピアノのように大きな音を立ててきちがいに関する音階を刻んでいった。それはギロチンよりも確実に周囲の人間達の、良心と肉体とを繋ぐ首筋を切断する。私達は亜音速の断頭台となり、イーライリリーのプロザックを会話の端々で暗殺者のように持ち出す行為に没頭しすぎてコーヒーは美味かった。 基地の外で人は何を見るのだろうか。ラムダか。アルファか。それともあれか。爆乳痴女か!ええい。ええい。喋った時間が短くて残念。 今日もヘドが出そうな一日だった。 先輩社員「お前の担当販売店のある新居浜エリア、○○医院、xx医院にうちの商品が入ったことを、知ってるか」 いえ知りません。 知らんとはどういうことや。詰めが始まった。 「俺が入れたんや。お前の取引先のあるところでうちの商品が病院で使われてるねんぞ? それがゆくゆくは他社に勝つための布石になるということにお前は何の興味もないんか。プロとしてそれはどうなんや」 「大体、お前みたいな一番若い奴が、こういうことを先陣切って新規配荷して攻めていくのが当たり前やと思うんやがな。お前は大人し過ぎる。もっとこう、出世したいとか、スキル上げたいっていうのは、ないんか?」 ない。 私にあるのは言語の造換能力、衝動、ちんこ、それだけだ。 それらをあんたらみたいな、文章を読み書きしない種族の人間に、伝えきらないことの、嘆かわしい悲しさと虚しさだけが、ある。 私はこんなにも苦しい。高速道路で私が眠ったまま運転する理由が解るか?此の世に、日常に、退屈し、辟易し、絶望しているからだ! 脳を、肉体を正しく覚醒させるものがないからだ。どいつもこいつも、わたあめをしゃぶるような平和な生き方をしおって おお ああ うう。 あんたは営業としては日本最高だろう。本当に実力者だろう。だが俺はあんたみたいに営業のできる奴は死ぬほど嫌いだ。俺は何もできず、何もせず、ただ死んでいくだけの奴は大嫌いだが、営業のできることを人にアピールする輩はもっともっと嫌いだ。俺はお前等を必ず、必ず超越し、いつか、俺の文体から逃げることのできない世界にお前等を叩き込んで、陥れてやる。季節の移り変わりや月の引力と同じようにして俺の文体がお前等の脳や精神を、人生の時の流れに作用していく。その日を必ず呼び寄せてやる。 俺はまともな人間とは根本的に相容れない。失礼する。くそくらえだ。こうなれば技術を高め、本格的に、此の世のあらゆるプロの奴等と 戦ってやる! てめえらあああ 多勢に無勢の戦いというものを 見せてくれるわああ わああ もはや気分は中近東。マラリアあああああ そうだ俺はマラリアになってやる。病原体のように、此の世を感染させて わあああああ。赤血球が鎌状に変形してるような特殊な奴しか生き残ることのできない世界に変えてくれるわああ。ああくそ 精神の制御が利かぬ。はあはあ。力尽きて倒れてしまいそうなのに怒りで脳が沸騰している。全身の筋肉は疲れているのに細胞が怒りで煮え滾っている。なあ あんたら マラリアに罹ったことはあるか!!! |
writer*マー | |
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