ガキの頃、友達に「なんのために生きてるの」と訊いたら「しぬためにきまってんだろ」って言われたことがある。それはあまりに当然で当たり前だった。ろくに身体も動かさず飯も食わず、ただ普通に生きてたら人に「なにそれ」って気味悪がられるくらいに両腕は痩せ細った。莫大な労力をつぎ込んで俺や誰やらが手に入れようとしているものってその正体は一体何なんだ?今時古いけれど、世界の終わりがもしもあるのなら観てみたい気がする。ちょっとだけな。本当に終わると知ったら俺みたいな落ち着きのない奴はダメだ、もっと長く生きていたかったと言うに決まってる。地球の核に到るまでの大穴が開いて、大地がヒビ割れて空までバキバキに割れて・・・到るところで噴火が始まる??ありうるけれどそれってただの大災害っぽいよね。終末を楽しみにしている奴等がどれほどいるのか俺は知らない。けれどそれでさえ大したものじゃないと思う。不毛で厳しすぎるアフリカの砂漠で生きている人にとってみれば、毎日がぎりぎりなのに、何を今更? もうすぐ眠りたい。眠る時には何の夢を見よう。喉が渇いた。電話でもしよう、たまに来るヘヴィな窒息感から解き放たれるには自分独りではどうにもならないから。解き放たれて何が変わるのかって、それは・・・早く気持ち良く眠れるから。静かに目を閉じて、スピーカーにもたれかかって、独り、音を身体で聴きながら、両足で立っているのも何だかだるくなってきた。誰かがこっちを指差して何か言ってる、大方、こいつやばいよねとか言ってるんだろ、知らない。「clubに来てまでどうして独りで寝てるんだ?」 「解らない。でもあんたらにとっても大した事じゃあなかっただろ、俺が歓声上げようが、壁でこうしてへばってようが、つめたいやつでパキッとキマッてようが、そんな、本当に・・・何がどうだって、そんなものどうでもいいはずなのに・・・もう眠らせてくれないか?あって無いようなもんだとでも・・・思ってくれ」 水色をした空・ガラスの砕ける音・マンホールに照り返す太陽・歩道橋の落とす影・アルミ缶の冷たい色・霞む瞳から見える街・楽しそうに通り過ぎて行く人・震えたように感じたけれど何も受信していないケー帯。どこにも確信が無くてそのままうろついた。ありがとう。無性に何かに向かって感謝したくなってしまう。その気持ちは本物だけど実体があるのかどうかなんて説明できない。ただ、そう感じただけ。試聴機で冷たいやつを聴いていたら、世界が本当はもう既に取り返しのつかないくらいに壊れていたように感じてしまって、この肌で触れる風が、いつもと全く同じなのに300年後の世界のもののように思えてならなかった。それは生物の死に絶えた海を想像させた。そのまま歩いていたらどこまで行ってしまうか解らなくなった、海に辿り着くか、交通事故で終わりになるか。そう、事故で終わってしまうことの方が遥かに大きな確率で、その方が大問題だ。いつどこで終わるか俺には全く想像できないけれど、一日一日を生き延びて死に逃れてる、ああ、全然無邪気でもカッコ良くもないな。誰だテメェ、ってくらいに、干乾びてる。愛の足りない野郎だよ本当に・・・。 |
writer*マー | |
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