告白。ただ、どうしようもない、告白。

2005年06月25日(土) さんのに

「○○町の○○番地の○○です、兄弟喧嘩ですねん、来てくれませんか。」

振り向くと、祖母が受話器を持っていた。

警察に、電話された。
ヤバイ。

私は姉を離した。

それを見て、祖母はすぐ
「あ、もう収まったみたいです、すんません、もう大丈夫です、はい、はい。」
と、電話を置いた。


…でも警察の人が来るかもしれない。
自分の部屋に戻ろうとした。

祖母に腕を掴まれた。

「何処に行くんや?」

「自分の部屋に戻るねん。
離して。」

「離さへんで。」

「離してや。」

「離さんかったらお婆ちゃんにも滅茶苦茶するんか?」

祖母は少し震えた、でも強い口調でそう言った。


ショック、だった。
違う、私は貴方に対して暴力振るう気なんて全くないのに。
あの人だから、ああしただけなのに。

祖母は明らかに怯えを含ませた目をして私を見ていた。

「もうええわ。」

そう言って、祖母に掴まれている腕をそのままに、歩き出した。
老人の力と若者の力。
暫く引き摺られるようにして付いてきていた祖母の手は、いつの間にか外れていた。



自室に戻った私はまず何をしたと思う?



着替えたの。
ジャージの汚い部屋着姿から、Tシャツとジーンズ姿へ。
そして洗面所へ行って顔を洗って、髪を梳かした。

もし、警察の方がいらしても、冷静に応対できるように。
私は全く正常ですよ、と、穏やかに話すつもりだった。


警察官は、本当に来て下さいましたよ。
ベランダから外を見ると、祖母と警察官二人が話していた。
一人が祖母と話をしていて、一人が何か紙に書き付けていた。


聞こえてきた祖母の話。

「深海は○○ってところで働いてますねん、ええ。
お姉ちゃんの方がちょっと心の病でしてね、それで爆発したみたいですわ。
もう大丈夫です。」

暫く喋って、警察官は私に会うことなく帰られた。


「前科付いたんかなぁ。
やっばー。」

祖母と警察のやりとりを、ベランダから眺めながら、兄と軽口を叩いていた。
私はへらへらと笑っていた。
笑っていたんだ。


こんなにも、私はまともでしょう?

そう、訴えていた。

私はどこもおかしい事ところなんてないでしょう?

そう、訴えていた。


 < 過去  INDEX  未来 >


深海 [MAIL]

My追加