火曜日、姉は入院した。
安堵。
…は、長く続かなかった。
鳴り出す電話。
繰り返しだ。 やっぱり繰り返しだ。
受話器を取っておくとか。 コードを抜いておくとか。 それは全部一時的な物。 すぐに母に戻される。
だから私はコードをハサミで切った。 母は怒ったけど。 物凄く怒ったけど。
うちの電話が鳴ることはこれでない。
嬉しくて嬉しくて堪らなかった。
でも電話はうちにある物だけじゃない。 祖父母の家にも電話はある。
そっちの電話が鳴って、母は呼び出されて、その度に病院へ出掛ける。
変わらない。 あの人が存在する限り、変わらない。
私の幸せは、あの人がいる限り存在しない。
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