当時私はアルバイトをしていました。 前日、日曜日のバイトのお昼休みに、近くのホームセンターでタンスを買いました。 自分で組み立てるタンス。
次の日の朝(月曜日、今日)、配達の方がタンスを運んでくださって、私の部屋にタンスの元になる木と釘が運び込まれました。 この日、バイトは午後0時から。 私はそれまでの時間、タンスを組み立てることにしました。
ボンドで引っ付けて。 カナヅチで叩いて。 どこか楽しい作業。 黙々とタンスを組み立てていると、居間から声が聞こえてきました。
母の声と、姉の声でした。
姉は何事か叫んでいて。 母は何事かを口にして止めようとしていて。
何故か二人は階段を上ってきました。
階段を上ったところ、私の部屋の前で、二人は何事か言い争っています。
ボンドをタンスに塗りつけながら、聞いていると。
姉が死ぬだの死なないだの叫んでいて。 母がそれを止めようとしているのか宥めていて。
死ぬだの死なないだの。 姉は自分で何度も言ってる。 訳の分からない興奮した言葉を羅列して、母を困らせてる。
黙って聞いていた。 黙々とタンスを組み立てていた。
ずっと続く二人の声。
うるさい。
うるさい。
うるさい。
うるさい。
うるさい。
うるさい。
…うるさい。
衝動的に立ち上がって扉を開けました。 そこには当然、母と姉の姿。 後ろには階段が見えて。
私は姉を、階段の方へ力一杯押しました。
「死ぬんやったら今すぐこっから飛び降りろ!」
そう叫んで力一杯押しました。
なのに。 なのに。
なのに姉は抵抗するの。
今、死ぬって言っていたよね? なんで? なんで?
壁に捕まって落ちないようにして、私に文句を言ってくる姉。 なんで? なんで?
母も私に止めーや!と言って止めようとする。 なんで? なんで?
手で押してもびくともしない姉。 今死ぬって言ってたのになんで!? いらいらしていらいらしていらいらして、ふてぶてしく反論してくる姉に憎悪の念さえ抱いて。
「いいから落ちろ!!」
そう叫んで、私は姉を階段に向かって蹴り落としました。 瞬間、明確な殺意を持って、私は姉を階段へと蹴り落としました。
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