思うところあって...銀の

 

 

夏の日 - 2003年06月29日(日)

江ノ島電鉄に乗って鎌倉の海に行った。

カタンカタンと緩やかなスピードで
こげ茶色の線路はほんの少しカーブする。

適当にこの辺りで、と降り立った稲村ヶ崎は、
黒い砂浜に黒い海。

スイーと波に乗る人たちを眺めながら
強い潮風にゴウゴウと吹かれる。
白い麻の長袖シャツでは少し肌寒い。

ぼあぼあと立ちのぼる髪の毛の先に目をやると
トンビが空からこちらの様子を窺っている。

高台の石段に座り、
打ち寄せる白い水しぶきを見下ろすと、
侵食が激しい黄土色した岩場では
細っこい男の子が青いアゲハ蝶を追って
オーバーリアクション。

それを見てケラケラ笑った。


曇り空に何もいらない日。



甘いプラムをほおばって、
あの風景は忘れないだろうなと思う。


...




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