「うしろは、もう見えない」 ちょっと後悔をして 「私はもう帰れないんだ。」
示した道は消えかけて、 消えかけた道をもう振り替えらない。 人の渦を通り抜けて、 天使が見えた時には新世界。
彼女の示したスケッチブック イメージの中 廊下を走る 教室へ入る そこから虚空を切り裂いて 弱弱しい羽で飛び立った
草花の上に落ちた そこで耳を澄まして聞いていた 何も空に響いて途絶えた想い
手を開けば小さな羽が飛んでいった。 懐かしかった。 逃げるまで気づかなかった、あの場所。 暖かかった、もう二度と触れることはない光。
「うしろは、もう見えない」 けっこう後悔をして 「私はもう帰れないんだ。」
泣きながら、彼女はよろめきながら 「ちくしょう…」 本音をポロっとこぼして、 自分で望んだ新世界を、 悔しそうに蹴り飛ばした。
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