それは小さい時に聞いたおとぎ話。綺麗な歌を歌う少女の話。とても長かったのだけれどまだ私は覚えている。覚えている、いいえ、脳の奥に閉まっていて正確には感じている。そんな感じ。誰もが一度は夢見る大切な心の話。ただ、私にその歌は歌えないと思った。とても大切な物を私は置いてきた。とても大切な人を私は失ってきた。とても大切な夢を私は奪ってきた。それは小さいときに聞いたおとぎ話。多分今では忘れられた歌。