遺書

2003年04月08日(火) 未来じゃない過去じゃない。完成品なんてありゃしない。

死ぬなら、もっと何処か行きたかった。
行かせたかった。
だけど、逝きたくは無い。
まだ、まだだ、まだやることは有る。
生きる理由は有る、なのに!

夢なら、もっと夢らしくして欲しかったな。
夢を見させたかった。
だけど、悪夢はいや。
これは悪夢だろ?悪夢なんだろう?
認めたくない理由も有る、そうさ!

君が、死ぬとわかっていたのに、
いつだろう。運命って奴は、
わかっていたのに、逆らえない。
見えたんだ、未来が、かすかにふわりと。
そんなはずはないと思う理由もある、はずだよな?

僕は、君を守れなかった。
仕方ない?わけない。
事実だ。嘘じゃない。現実だ。
過去じゃない、未来でもない。今だ。
遅かったのか早かったのかそんなものわからない、そうだろう?

好きだ。って今さら言っても意味ないのでしょう。
遅すぎた。死ぬのはわかっていたのに。
言っても止められたのでしょうか。
いや、無理だ。運命だ。
僕が殺す。殺した。決定事項だ。

仕方ないさ。もう認めよう。悔やんでも仕方ない。
大丈夫、逢えないわけではない。
僕には、まだ残されているのさ。
そうさ、そうだ。君の体はまだ有る。
心は無いが、まだ有る。

僕のため、アナタのためにはならないが、
複製人形、アンドロイド、まだまだある。
そう、まだあるから平気。
今すぐ作って見るのさ。
成功率なんてつけやしない。意味が無い。

培養液、なんだろう。
もう完成した時。未来じゃない過去じゃない。今。
そうして生まれた君に僕は名前をつけるだろう、
前の名前で、いい。自己満足でも、いい。
変わらなくて、いい。君のままで、いい。


 < 過去  INDEX  未来 >


MY DEAD BIRD [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加