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2006年04月02日(日) 映画「ブロークバックマウンテン」

映画「ブロークバックマウンテン」を観た。
美しく雄大なワイオミングのブロークバックマウンテンを背景に二人のカウボーイの切なく哀しい愛の物語は始まる。

この映画は、今回のアカデミー賞の監督賞他3部門受賞、ヴェネチア映画祭では金獅子賞受賞、他の国際映画祭も多数受賞など輝ける評価を得ている映画なのに、どこか、佳作な私小説や誰かの秘密の日記を原作に作られたミニシアター向けの良質インディーズフィルムを見せられているような、そんな映画だった。

監督はもちろん監督賞を取ったアン・リーなのだが、そんな大作を撮ってきた大監督の映画などじゃなくて、例えば今までは副監督をして来た人が初めてメガホンを取った映画のような、そうでなければ普段はTVコマーシャルを手がけているクリエーターが念願かなって自分の脚本で初めて撮った映画のような、考えに考えてしかも映画作りが楽しくてしょうがない、押さえた色調のなかに秘められた伏線が光るどこか新鮮な感じのする映画だ。

それにしても、社会的に許されない、認められない愛というのは当人たちにとっては相当つらいものなのだろうと思う。
一緒に暮らしたいが暮らせない、人前でキスや抱擁したいけれどそれも出来ない、ほんの少しの限られた時間に逢瀬を重ねれば重ねるほど、想いはつのっていく。

誰にも邪魔されることなく、愛する者と生活を共有できたブロークバックマウンテンだけが彼らの楽園だったのだろう。


PS:もし、彼らが幸せに一緒に暮らしたとして、果たして、その愛は長続きしたかどうかは疑問だ。
意地悪なようだが、とかく純粋に見える愛は、反対に純粋で素直な気持ち(注:「純粋な」心変わり)に左右されやすい。。



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izumi [HOMEPAGE]

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