TWILIGHT DIARY
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今日は曇天だが、雨も降らないようなので、 野草摘みに札幌近郊に出掛けた。
何年も行き慣れている落葉松林に着き、 車から降りると、「ケキョ。」と、鶯が一声鳴いた。
贅沢な林である。 ただで聴かせて貰っては、なんだか悪いような良い声である。 こちらが何か夕餉の足しにと、野草に目を凝らしている間も、 ずっと、彼は続けてさえずっている。
そんな時に、ウバユリの葉の上に、蝉を見つけた。
一瞬、昨年の亡骸か、とも思ったが、 ちゃんと羽は透明で、柄と姿もはっきりしており、 葉をそっと揺らすと、前足をちょっとだけ動かした。 正真正銘の今年の蝉だった。
笹竹、まだ開かずにいた土筆、独活を一本にこごみを摘んで、 帰りにもう一度だけ蝉に挨拶して、林を後にした。
気温の上がった時に出てきてしまったのだろうが、 この一週間の寿命のあいだにちゃんと落葉松に登り、 鳴くことは出来るのだろうか。
帰宅して調べてみたら、エゾハルゼミとある。 鳴声の種類は出ていなかった。 季節はやはり6月から7月だと云う。 彼は、少し気が早かったようである。
うまくいくと、彼は一番蝉になるかも知れない。無事を祈る。
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