TWILIGHT DIARY
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市川雷蔵が他界して、今年で33年目だと云う。 BSで、特集していたのをVIDEOに取って見た。 大ファンなんである。
例えば、雷蔵のどこが好きか、と言われても、 濃い紫紺の着流しに、二棹の刀をさして歩くだけでもいい。 現代物の時の、黒い縁の眼鏡をかけてるのも良い。 体が弱かった雷蔵の、気に隙のないしなやかな立ち回りも大好きである。
彼は、なで肩で内股。加えて、物腰が柔らかい。 だか剣を持たせると途端に妖剣の使い手になる。
映画「新平家物語」では、平清盛をやったらしいが、どうもピンとこない。 合うとしたら、経正だろうか。
経正は、都落ちの折に、下賜されていた琵琶を武者姿で、仁和寺に返上に行く。 青山という名のある琵琶である。
負け戦だと、経正にはもうわかっていた。 琵琶の名手の経正は、もう琵琶を奏することもない。 琵琶を奏でていた手には、代わりに、刀や弓矢が握られる。 凛々しい武者姿の経正は、一の谷の戦で打ち果てる。 青山は残る。(今でも、京都の冷泉家に保管されているそうである。)
雷蔵には、そういう歴史の中の日本人の哀しさや、儚さの美がよく合う。
来週13日から、映画の方も特集するとのこと。今から楽しみである。
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