★KINPEI★
◎ ■あなたに一緒にいてほしい ◎

本当はあの時の事を書くのが怖い。


何とかディープにならずに

書く方法はないかな。


あっさり

こうで

こうで

こうでした

って。



私と日向が正式に付き合う事になった

あの日の事。


全部書いたら何か変わるかな。

何の為に書くのかな。

わかんないけど。

・・・。

だめだ。

さくっと書こう。


どうせ私の日記なんて

読んでる人いるかいないかわからないし。






なんて思ったけど。

やっぱり書けない。



とにかく

私と日向は

それまでのプラトニックラブじゃ無くて

そうじゃなくて

好きなんだって事を確認しあってしまって




誤解なきように言っておくと

これは別にエッチしたとかそういう事ではなくて



女子校とかであるような

憧れや親友や

その延長線にある思いだと思っていたのに


そんな生易しい感情じゃないって事が

お互いに分かってしまって



上手く言えないんだけど

その頃しみじみってお茶がはやっていて

ふたりでしみじみ出来たらいいね

って言ったら

日向が

アルと一緒にいると

しみじみじゃないよぅ

って





どうしようもないくらい

相手が好きで


そして


一緒に居る事が

いかに心地よいかを

確認してしまった。




だけど

その事は

お互いに

世間から認められない道を相手に歩ませてしまう事で




だから日向は





ほんと 馬鹿みたいなんだけど。

あの時のことをこうやって書いてるだけで

思い出しただけで

すごく辛い。


心が痛い。

これ以上 詳しく書けない。



すごく大切なこの思い出たちが

こんな風に私の中に残っているなんて思いもしなかった。


乗り越えてきたと思う日々は

実は何も乗り越えられてなんかなくて



今の私は砂上の楼閣。


だからこそ

私は

消えてしまう前に

この砂上の楼閣を

この幻を

残しておきたいんだ。



もしかして誰かが見てくれてるかもしれない

こういう公開WEBを使って

見てくれた人に

幻を見てもらえるように



幻を見ていたのは

私だけじゃなかったって

思いたい。



タイトルのあなたは

日向のことじゃなくて

今もしかして これを読んでくれているかもしれない

あなたの事です。


   − 2000年10月04日(水) −             next

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